真由美は、水が怖くて水泳が大きらい。学校からの帰り道、見なれない道をまがると、銭天堂というふしぎな駄菓子屋を見つける。その店の店主・紅子は、願いを何でもかなえてくれると言う。「私、泳げるようになりたいの!」と真由美。紅子がすすめる駄菓子『型ぬき人魚グミ』を買って食べると、人魚のように泳げるようになった! けれど……。
いじわるな信也は、妹に怖い話を聞かせるのが大好き。銭天堂で駄菓子を買おうとするが、店主・紅子は売ってくれない。そこで信也は、『猛獣ビスケット』という駄菓子をこっそりぬすんでしまう。そのビスケットは、目を離したすきに、まるで生きているかのように動き出した! しかも、食べ方を間違えたせいで信也に襲いかかってきて……。
むし暑い夜、仕事帰りの美紀は、銭天堂で『ホーンテッドアイス』を買って帰る。それを半分だけ食べると、クーラーのないアパートでも涼しく過ごせるようになった。ところが、その日から部屋の中がおばけやしきのように変わってしまう。それが『ホーンテッドアイス』の力だったのだ。ホラー映画が大好きな美紀は、おばけたちとの生活を楽しみ始めるが……。
努力はきらいだが有名になりたい美容師の北島は、銭天堂で『カリスマボンボン』という駄菓子を買って食べる。すると、あっという間に日本一有名な美容師になってしまった!この人気を保つため、もっと『カリスマボンボン』がほしいと思うが、銭天堂にどうしてもたどり着くことができない。そんなある日、北島の美容院に銭天堂の紅子がやって来た!?
幼い兄弟の翔平と北斗は、いつもお腹をすかせている。 母親がごはんを作ってくれないからだ。そんな2人の家に銭天堂の紅子があらわれ、 『クッキングツリー』という盆栽のような木を置いていく。その木の実はいろいろな料理 の味がして、お腹がいっぱいになる2人。ところが、母親に『クッキングツリー』を取り上げられて……。
コソ泥の中年男・秀元は、盗みの名人になりたいと思っている。 銭天堂で買ったパン『怪盗ロールパン』を食べると、ふしぎなことが起きた。 かの有名な怪盗ルパンのように華麗に、決してだれにも見つからずに宝を盗めるようになったのだ。 しかしある日、そんな秀元の前に1人の優秀な刑事が立ちはだかった!
ピアノが上手くなりたい響は、ピアノ教室へ向かう途中、銭天堂で『ミュージックスナック』を買う。それを食べると、指が勝手に動いてくれて、モーツァルトのようにピアノが弾けるようになるという。響はたちまち腕を上げ、天才少年ピアニストともてはやされるようになった。ところが、世界中が注目するコンクールの本番で、急に指が動かなくなってしまった!?
具合の悪い母に元気になってほしくて、千里は銭天堂で『ドクターラムネキット』を買う。中には、白衣とメガネ、お薬ラムネが入っていた。しゃべるメガネをかけると、患者のどこが悪いかを知ることができ、「お薬ラムネ」をあげると患者の病気が治るのだった。千里はメガネを「メガネ先生」と呼び、もっとたくさんの人を治したいと町へ出かけていく。
千里は、商店街の魚屋・げんさんの草野球の試合を応援するため、「メガネ先生」とともに「元気ドリンク」を作る。対戦相手が、若くて野球のうまい大学生をチームに入れて勝とうとしているので、それに対抗するためだ。ところがそこに、千里に恨みを持つ医者・犬丸がやってきて……。
ひとり暮らしのみどりは、時々とても寂しい気持ちになる。ある日、みどりは銭天堂の紅子から『おもてなしティー』を買う。その茶葉でお茶をいれると、寂しさを癒やしてくれる友だちが現れ、いっしょに楽しいティータイムを過ごせるようになった。大切にとっておいた残り1回分の茶葉で紅茶をいれたとき、目の前に現れたのは……。