アパレル会社でデザイナーを志す鈴倉茉菜（山下美月）は、誰にも言えない秘密を抱えていた。5年前、日常的に暴力を振るうDV夫を殺害し、過去を隠して平穏な暮らしを手に入れていたのだ。しかし、そんな茉菜の目の前に突然、殺したはずの夫・鈴倉和希（萩原利久）が記憶をなくした状態で現われる。夫はなぜ生きていたのか、そしてなぜ今現われたのか？！ 深まる疑惑の中、2人の奇妙な共同生活がスタートすることになるが……。
“鈴倉茉菜の過去を知っている”――差出人不明の脅迫状が自宅に届き、驚愕する茉菜。かつて母から虐待され、隣人の松木（大塚寧々）を心の支えとしていた幼い日の記憶がよみがえる。脅迫状の送り主が和希なのではないかと疑う茉菜は、尾行の末に和希が警察官（櫻井佑樹）と密会している姿を目撃し、疑念はさらに高まっていく。そんな折、体調を崩した茉菜を和希が献身的に看病し……。果たして和希の真意とは。
ついにデザイナーデビューの夢をつかんだ茉菜。和希と日々を過ごすうちに思いがけず接近していく2人。このまま和希を受け入れていいのかと、揺れ動く茉菜の脳裏には、かつて心を許した初恋の相手との切ない思い出がよみがえる。和希に過去のことを話してほしいと懇願された茉菜は、覚悟を決めて自らの出自を語り始める。一方、宮城県の山中で発見された白骨遺体の身元が判明し警察から茉菜に驚愕の知らせが入る……。
「私が夫を殺しました」――5年前の夜の悲劇を告白する茉菜。しかし話を聞いた宮城県警の刑事・西垣（菅原大吉）らは状況としては大雨による転落事故であるとの見解を示し、茉菜は解放される。その後、茉菜はかつて暮らしていた盛岡のアパートへと足を運ぶが、そこでは思いがけない人物が茉菜を待ち受けていて……？！ 過去と現在が複雑に絡み合う物語は、重大な局面を迎えることとなる――。
