人里離れた山の中、父と剣術の修行に励む一人の少年がいた。少年の名は烏丸与一。浮羽神風流の後継者である。ある日、父から山を下り、町へ出るように命じられた与一は、同じ流派の流れをくむ斑鳩道場のあるアサミガワ市を目指して、山を下りる。しかしその道場を営む斑鳩家は、美人四姉妹が住む女の園だったのだ……。
駅ビルでの騒動から一夜明け、晴れて斑鳩家の居候となった与一は、修行の一環としていぶきやあやめが通う私立翼陵学園高等部に転入することになった。これまで父親と山にこもりっきりだった与一は、初めての都会の学校生活に胸を躍らせる。そして、時代錯誤な格好が逆にウケた与一は女子生徒の人気者になってしまい……。
与一が翼陵学園に転入して間もなく、町に二人の謎の美少女が現れた。歴史の影で暗躍した燕弁天流の次期当主である燕つばさと、その侍女の鷹司アンジェラ。彼女たちは“ある者”から「与一抹殺」の任務を受け、送り込まれた刺客だった。そして翼陵学園高等部に転入したつばさは、同級生として与一に接近するが……。
中学生にしてプロの漫画家として活躍するちはや。そして、そんなちはやが、いぶきと与一、あやめの関係を元にして新作の構想を練り始めた。普段は人をからかったり、ふざけていても、漫画に対しては真剣な彼女の姿に、与一は感銘を覚える。だがそんなちはやの漫画への情熱が、思わぬ事態を引き起こしてしまい……。
都会での暮らしに見るものすべてが珍しい新鮮な毎日を送っていた与一。そんなある日、登校中の与一に次期ミス翼高と噂される美少女、雛形唯から一通の手紙が手渡される。デートの申し込みが書かれたそれは紛れもないラブレターであった。与一の動揺する姿を見て、いぶきは言いようのない嫉妬にかられるが……。
鷲津は、いぶきから借りたハンカチを返すことができずにいた。早く返さないと嫌われてしまうかもしれない、とはいえ級友たちの前で直接渡すのははずかしい。考えた挙句、鷲津はハンカチを封筒に入れ、いぶきの下駄箱に返しておく作戦に出る。そこに「屋上で待ってます」との手紙を添えて。そんな彼の前に現れたのは……。
いぶきたちは、つばさとアンジェラ、門下生らと共に南の島へ合宿にやって来た。だが、かごめだけは与一たちが泳ぎに誘っても、頑なに海に入ろうしない。やがて門下生のマサシが、かごめが水泳の授業はいつも休んでいることを口にすると、そのことでいぶきに問い詰められたかごめは森の奥へと逃げ込んでしまうが……。
冷酷非情な一匹狼、市内最強の不良と恐れられていた鷲津だが、与一やいぶきたちと付き合っているうちに、そのイメージは一変。鷲津自身「最近、ヌルくなってねぇ？」と戸惑いを覚え始めていた。そんなある日、鷲津にグループを壊滅へと追い込まれた“怒苦労連合”のメンバーによってあやめが連れ去られてしまい……。
いぶきに告白する決心を固めた鷲津。「好きだッ、斑鳩さんッ！ 俺ァ、君に剣を教わりたくて仕方がねーんだッ！」鷲津がそう叫んだ時、偶然通りがかったあやめは自分が告白されたと思い込んでしまった。あやめの誤解を解くため、鷲津は納涼祭に斑鳩道場の面々を誘い、何組かのペアを作って行動することを提案するが……。
いぶきがお祭りの景品で手に入れた温泉旅行に訪れた与一と四姉妹。露天風呂に和風庭園、娯楽室に植物園、さらには水族館とテーマパーク並みに施設の充実した豪華旅館にとまどいながらも、旅行を楽しもうとする斑鳩道場の面々。ところが、その豪華な施設とは裏腹に、いぶきたち以外の客の姿は一向に見当たらず……。
婚約者を名乗る鷺ノ宮蒼天流当主、鷺ノ宮右京の罠にかかり、四歳以降の記憶を消されたいぶきの心は子どもの頃に戻ってしまっていた。そんないぶきは、与一やあやめたちのことを知らない人呼ばわりして脅える。そして彼らがいぶきの世話に振り回されて心に疲れが溜まり出した頃、不意に右京と左近が斑鳩道場を訪れて……。
与一たちはいぶきを救うため、街外れの鷺ノ宮邸へと駆けつけた。広大な森と湖を抜け、正面玄関から堂々と乗り込む与一たちを待っていたのは、左近と彼女が率いる武装メイド部隊。いぶきを奪還するため、ついに与一は決意を固め、鷺ノ宮兄妹との戦いに挑む！
