星野あかり（紫吹淳）はシングルマザー。夫に先立たれ、中学1年生の愛菜（住田萌乃）と小学3年生の大地（山田忠輝）を女手一つで育てている。あかりの職業はバーテンダー。子どもたちに寂しい思いをさせていることを悩みつつも、オーナーの原田敏行（モロ師岡）の絶大なる信頼のもと、銀座の老舗バー「BAR1511」をまかされ、バーテンダー見習いの坂井幸樹（中村米吉）、アルバイトの新川千広（百瀬拓実）とともに、日々訪れる客たちを美味しいお酒と会話でおもてなししている。踊るようにシェイカーを振り、「カクテル言葉」を添えてお客様の悩み相談に応えるあかりは、「伝説のバーテンダー」として評判を呼んでいる。そして今夜も、あかりを目当てにお客様が訪れる── とある夜の「BAR1511」。来店したのはホテルマンの東堂克生（内藤剛志）。30年前に恋人と別れてホテルマンの仕事を選んだ東堂。別れた恋人が妊娠していたことを知らず、30年間一度も会ったことがない娘から先週突然連絡があり、今日このあと会う約束になったのだという。何を話せばいいのか不安げな東堂。そんな東堂にあかりが提供した一杯は「ダイキリ」。その「カクテル言葉」とあかりとの会話が東堂を勇気づける。そして30年ぶりの娘との対面の時が…
星野あかり（紫吹淳）はシングルマザーのバーテンダー。夜に仕事をしていることで、子どもたちに寂しい思いをさせているのが悩みで、今日は息子の大地（山田忠輝）が「学校を休みたい」と言ったことが気にかかっている。 そんな夜、とある女性客が「BAR1511」にやってきた。「よく当たる占い師がいる」と聞いてやってきたというその女性は、元CA（キャビンアテンダント）で現在は地上勤務の吉澤風香（奥菜恵）。子どもの頃からモテる人生を送り続け、有名プロ野球選手と週刊誌にスクープされたこともあったが、理想を追い続けた結果、40歳の今も未婚。「どうしたら結婚できますか？」と高飛車にあかりに尋ねる。風香にあかりが提供したカクテルは「ピンクレディー」。その「カクテル言葉」とは？あかりとの会話で風香の心をときほぐすことはできるのか…
ある夜、「BAR1511」に訪れたのは常連客の熊田和雄（勝村政信）。最近定年退職したそうで、以前よりも頻繁に店に現れる。そんな熊田がバーテンダーのあかり（紫吹淳）に「考えを聞かせてもらいたいんだ」とポケットから取り出したのは、指輪のケース。中にはシンプルなデザインの指輪。妻のクローゼットでみつけたという。見覚えのない指輪に、熊田は妻の浮気を疑っている様子だ。自分のどこが悪いのか教えて欲しいと頼んでくる熊田。あかりが熊田のために作った一杯のカクテルは「ジャマイカ・ジョー」だった。
ある夜、「BAR1511」にやってきたのは一人の女性（松井愛莉）。お任せでオリジナルカクテルを注文しじっくりと味わい、店の調度品を眺めたりしている女性の様子に、バーテンダー見習いの坂井（中村米吉）は、何者なのかと不審そうな顔つきをしている。実はその女性、あかり（紫吹淳）は知っていたのだが、バー「ペザンテ」のバーテンダー・福原彩葉。年内に独立して店を出すことが決まっており、噂に聞いていたバーテンダー・あかりに一度会ってみたいと来店したという。自信に溢れている彩葉だが、「1511」の常連客のなかには、彩葉が独立しても通わないだろうと言う者も…。忘れ物を取りに来た彩葉に、あかりは意外なことを依頼する。そして、彩葉にカクテル「サード・レール」を贈る。
雨が降り始めた夜、「BAR1511」に訪れたのはスーツ姿の男性。男性は、新米バーテンダー坂井（中村米吉）の大学時代の先輩、梶田翔吾（平原テツ）だった。偶然の再会に喜ぶ梶田と坂井。学生時代はよく一緒に飲んでいた二人だが、梶田が大手の靴メーカーに就職してからは、8年近く会っていなかった。雨で客も少なく遅い時間なこともあり、坂井はあかり（紫吹淳）から「今日はあがっていい」と言われ、1511のカウンターで梶田との会話に花を咲かせる。梶田がそろそろ帰ろうと席を立った時、坂井は突然「仕事、辞めないでください」と声をかける。なぜ坂井は？そして 梶田の答えとは？あかりは梶田のためにカクテル「ジャック・ローズ」を作る。
今日は「BAR1511」の20周年の日。店に届いた祝い花の送り主の名は「早瀬華代子」。あかり（紫吹淳）がオーナーの原田（モロ師岡）に誰なのかを尋ねると、原田は「昔からの知り合い」と答える。今日のために仕入れた高級ワイン、2011年の「オーパスワン」は、その知り合いからの依頼だという。そんな話をしていると、その早瀬華代子（りょう）が来店。20年以上前、原田が六本木のキャバクラで店長だった頃、お店のナンバーワンホステスが華代子だったのだという。オーパスワンで乾杯する華代子と原田だが、あかりはなぜ華代子が2011年物を指定したのかに疑問を抱く。2011年の市場評価はイマイチなのに、なぜ2011年なのか…。華代子はふと思いたったように、バッグから札束が入った封筒を取り出し、自分が帰るまでに理由を当てたらこのお金をあげると言い出す──。 オーパスワン2011年物の謎解きのあと、あかりは華代子にカクテル「ギムレット」を贈る。
バーテンダーは常連のお客様の愚痴を聞くのも仕事のひとつ。お笑い芸人の雅樹（古屋呂敏）はプロデューサーからのダメ出しについてブツブツ。萌美（高橋真悠）はフリーターの彼氏についてブツブツ。ファミレス店長の池添（大高洋夫）は自分の娘についてブツブツ。倉沢奈緒子（土井きよ美）は、会社の部下についてブツブツ、女手一つで育ててきた息子についてブツブツ…。実は雅樹と萌美は、3年前に「BAR1511」で知り合い、付き合い始めたカップル。同棲していた二人だが、雅樹の浮気を疑った萌美が家を飛び出し、雅樹の初めての単独ライブを3日後に控えながら連絡がとれないという。雅樹から相談を受けたあかり（紫吹淳）は…。そして、バーの常連客たちの意外な人間関係が明らかに！あかりは、萌美にカクテル「サイドカー」を贈る。
ある夜、常連客の山岸（瀬下尚人）が「あかりさんに会わせたい人がいる」と、ひとりの男性を店に連れてきた。その男性は、阿久津通彦（青柳翔）。山岸の虫垂炎の手術を担当した医師だという。阿久津が現れた瞬間、驚いて声を失い、グラスを落としそうになるあかり（紫吹淳）。阿久津は、あかりの死んだ夫・直哉にそっくりだったのだ。後日、ひとりで店を訪れた阿久津。あかりに聞いてもらいたいことがあると言う。自分は立派な人間ではなく、むしろ最低な男の部類だと話す阿久津。ゆっくりと語り始めたのは、華やかな女性遍歴の末に巡り合った、ひとりの女性との悲しい話だった。あかりはカクテル「アイ・オープナー」を阿久津に贈るが…。
