第62回芸術祭優秀賞受賞作品。「全くタイプの違う二人の姉妹―「石橋を叩き割る」ほど慎重な姉・雪緒（長谷川京子）と自由奔放に育った妹・理々子。祖母・音羽（岸惠子）は、母・篠（檀ふみ）とともに金沢で小料理屋を営む。この四人、実は誰一人として血が繋がっていないのだが、雪緒と理々子は何かあるたびに金沢に戻り、祖母、母と顔をあわせている。結婚には見向きもせず、それなりに恋を楽しんでいた二人だったが、金沢に戻ったある日、篠と音羽がそれぞれに結婚することを告げられ驚かされる。「もう、恋も愛もいらない。なくても寂しさも不便も感じない。一人で心穏やかに過ごし、自分を完結させられる、早くそこに辿り着きたい。けれど、いつだって、人は誰かを求め、恋を待っている」金沢、名古屋、東京で生きる祖母、母、娘たち三世代のゆれ動く恋と仕事、結婚の行方は…。