約46億年という歴史を持つ地球史は、「地質年代」という区分によってまとめられている。その地質年代の中でこれまで名前がつけられていなかった約77万4千年前~l2万9千年前の時期が「チバニアン(千葉時代)」と命名されることが決まった。千葉にある地層が、その時代の特徴が最もよく現れている「国際標準模式地」として正式に認定されたもので、地球史に初めて日本由来の地名が刻まれる快挙である。そんなチバニアンの時代の地層には、地磁気の南北が入れ替わる「地磁気逆転」と呼ばれる現象の記録が刻まれている。地磁気逆転は過去の地球で何度も起きているが、チバニアンの時代を最後に現在まで起きていない。つまりこの地層を調べることで最も近い時代に起きた地磁気逆転の謎に迫れるかもしれないという。地磁気逆転が起こると、地球環境や私たちの文明社会はどのような影響を受けるのか?チバニアンに刻まれた過去の記録を探る。