急に降ってきたよね――。 中学生の吉岡双葉(出口夏希)と田中洸(櫻井海音)は、雨の日を境に互いに惹かれ合っていく。目が合うと、必ず一度そらして、また合わせる2人。しかし、洸は何も告げぬまま突然転校してしまう。高校生になり、友達から嫌われないように自分を偽る双葉は、クラスで孤立する槙田悠里(莉子)のことが気になり始める。そんな双葉の前に、洸に似た男の子が現われるが、彼は“馬渕”と呼ばれていて――。
学級委員、やります―。 洸に背中を押され、新しいクラスで高校生活をやり直そうとする双葉。意を決し、双葉が学級委員に立候補すると、もうひとりの学級委員に名乗りを上げたのは洸だった。そして、イベント委員に決定した村尾修子(志田彩良)、小湊亜耶(新原泰佑)、悠里とともに、研修会に参加することに。しかし5人の意見はまったくまとまらず、発表会の場で追い詰められた双葉。そんな双葉に手を差し伸べたのは―。
俺のこと好きなの――? 答えに詰まった双葉をからかう洸は“あの頃の田中くん”ではなかった。会えなかった3年の間に何があったのか、疑念が募る双葉。そんな中、研修の課題でプール掃除を行なうことになる双葉たち。修子は、想いを寄せる教師・田中陽一(兼近大樹)と2人きりになるが、皆の輪に戻るよう諭される。戻ってきた修子を心配する双葉だったがうっとうしいと突き放され、さらには悠里が足をけがしてしまい――。
洸のことが好き―。 “あの頃の田中くん”ではなく“今の洸”を知った双葉。洸への気持ちに気付き始めた双葉だったが、悠里も洸のことが好きだと知る。双葉は思い悩むが、洸への想いを断ち切りたくないと決心し、悠里と正面から向き合うことに。一方、児玉雄大(渡邊圭祐)ら地元の友人と夜遅くまで遊んでいる洸の姿を目撃し、心配する双葉。相変わらず心の扉を開こうとはしない洸に対して、双葉はある行動を起こす―。
大事なものができると、いろいろしんどくなるから――。 双葉たちは洸のために勉強会を計画するが、洸の心は閉ざされたまま。そんな折、双葉は洸の母・あかり(堀内敬子)が亡くなっていたことを知る。何かを求め、期待することを諦めたかのような洸の表情を目の当たりにした双葉は、陽一から洸の過去を聞き出す。洸のことを心の底から分かりたい、支えたいと想う双葉は、洸の心の扉を開こうと決意する――。
俺、吉岡のこと好きだった――。 洸の告白を機に、着実に心の距離を縮める双葉と洸。双葉に背中を押され、洸は陽一に対しても素直に心の内を明かす。そんな中、双葉たちは皆で夏祭りに行くことに。当日、浴衣姿で現われた悠里は、洸に対して積極的にアプローチをする。一方、友人と祭りに来ていた菊池冬馬(曽田陵介)は双葉と再会し、前向きな双葉に惹かれ始める。それぞれの想いが交錯する中、悠里は洸に想いを告げるが――。
7時。三角公園の、時計のとこ――。 再び約束した灯籠祭。あと1ミリの距離まで近づいた双葉と洸だったが、約束が叶うことはなかった。夏休みが明け、双葉は音信不通だった洸に迫るが、その表情は今までの洸の表情ではなかった。一方、文化祭に向けて着々と準備が進む中、双葉に好意を抱き始めた冬馬は、洸への想いを知りつつも積極的に距離を詰めていく。放課後、誰もいない教室で2人きりになる双葉と冬馬だったが――。
今、何したの――? 洸に抱きしめられた双葉だったが、洸のことを“洸ちゃん”と呼ぶ女の子からの着信にさえぎられる。文化祭当日を迎え、冬馬が出演するライブに誘われた双葉は冬馬の歌が自身の今の気持ちに重なり、涙を流してしまう。同席していた洸はそんな双葉に声をかけようとするが……。一方、陽一のもとにやって来た修子は思いがけない行動を起こす。あと1ミリの青春――、互いの想いは果たして――。
洸と同じ悲しみを知る、女の子―。 吉岡双葉(出口夏希)と馬渕洸(櫻井海音)は次第に想いをたぐり寄せ、文化祭の日に急接近する。洸の本当の気持ちを知りたい双葉は洸に想いを伝えようと決意。そんな2人の前に、洸が中学時代に転校した長崎で出会った同級生・成海唯(藤吉夏鈴)が現われる。洸は同じ悲しみを知る唯を放っておけず、双葉と菊池冬馬(曽田陵介)の目の前で唯を抱き寄せる。あと1ミリの青春が近くて、遠い―
どうしても洸ちゃんが欲しい―。 洸の過去を知る唯の存在によって、前に進み始めた洸の時間がまた止まってしまうのではないかと心配した双葉は、唯に想いの丈をぶつけるが、洸のためではなく自分のための行動ではないかと反論される。そんな中、田中陽一(兼近大樹)に“ある疑惑”が浮上する。一途な想いを募らせる村尾修子(志田彩良)は陽一を屋上に呼び出し、想いを伝えることに。そして、双葉も洸に気持ちを打ち明け―。
俺、吉岡さんが好きなんだ―。 冬馬から向けられた真っすぐな言葉に双葉の心は大きく揺れ、2人の距離は急激に近づく。一方、洸は母・あかり(堀内敬子)とのつらい記憶を思い出すと同時に、双葉への想いを改めて実感する。小湊亜耶(新原泰佑)から鼓舞された洸は、自分の正直な気持ちと向き合い、同調する感情も断ち切るため、再び唯と会うことに。そんな中、冬馬が告白の返事を双葉に迫る。双葉が導き出した答えとは。
悩むくらい可能性があるなら、奪いにいく―。 冬馬と付き合い始めた双葉。そんな中、修学旅行の時期に差しかかる。行き先はくしくも、洸があかりと最期の日々を過ごした長崎だった。双葉と冬馬の仲むつまじい様子を目の当たりにした洸は不快感を抱く。一方、修子と小湊、槙田悠里(莉子)と内宮晴彦(宮里ソル)、それぞれの関係に進展が見え始める。洸は長崎で新しい記憶をつくるため、ある行動を起こす。
ずっと洸ちゃんが好きやった―。 双葉は洸の誘いに戸惑いながらも、友達代表として洸についていくことに。長崎の街を歩きながら悲しみを克服するため、前を向こうとする洸。そんな洸に寄り添おうとする双葉の心は波立つが、冬馬に対して罪悪感を抱き始める。後日、修学旅行中に洸と2人で抜け出したことを正直に冬馬へ話した双葉は、もっと向き合おうと約束する。一方、唯との関係にけじめをつけるため、唯と会う洸だったが―。
急に降ってきたよね―。 自分の中から洸を消せなかった双葉は、別れを告げるため、冬馬のもとへ向かう。しかし、そんな双葉の決断を知る由もなく、双葉へ連絡しようとする手を止めてしまう洸。すれ違い続ける双葉と洸……。そして迎えたクリスマスの夜。それぞれの想いが交錯する中、洸との思い出の場所に足を運ぶ双葉。何度も、何度も、始まりそうで始まらなかった、双葉と洸。近くて遠い、あと1ミリの青春は、果たして―。