美和子(鈴木砂羽)とランチを、とひとり高層ビルの最上階にあるレストランに出かけた薫(寺脇康文)。彼女が来るのを待ちながらふと外を見ると、近くのビルの屋上で今にも投身自殺しようとする女性を発見する。 「ウソだろ、オイ!」。 あわてて飛び出しビルの屋上で彼女を保護することに成功。薫はホッと胸をなでおろすが、なんと女性は「人を殺した」とポツリつぶやいて…。 自らの車の中で男を刺し殺した、という彼女の証言に従い、とある地下駐車場に置かれたままの彼女の車を調べた右京(水谷豊)と薫だが、死体どころか血痕すらない。ひょっとしたら自力で病院に駆け込んだのかも…。薫は現場近くの病院を調べようとするが、例によって捜査一課の伊丹(川原和久)らに邪魔をするなと釘を刺されてしまう。 女性の身元が大学教授で国家公安委員でもある神林寿一朗(山本圭)の妻・淳子(洞口依子)であることが判明。その夫・神林によると、今回の一件は精神的に不安定なところがある淳子の妄想だという。確かに被害者の所在も不明、車からも死体があった痕跡が発見されないとあれば、事件そのものがなかった可能性が高い。が、正義感に燃える右京は、怒る幹部の目の前で「奥様が気を病まれた理由は?」と堂々と質問する。神林は平然と自分に愛人がいることがバレてしまい、それが原因で不安神経症になったのだと答える。一応は納得する右京だったが…。 淳子が元芸者だったことを知った右京は、かつて付き合っていた性質のよくない男に金を無心されていたのでは、と推理。薫は伊丹を絞り上げ、淳子が殺したという猪口