——王宮魔法士の試験に落ちてしまった。世の中は厳しい。実家に帰ろうにも、先立つものがない。仕事を探すアレンに舞い込んだのは、公爵家御息女、すなわち公女殿下の家庭教師の仕事。どうも胡散臭いが、あの『腐れ縁』ほど大変な生徒じゃないだろう。そう高を括っていた矢先、彼を待っていたのは魔法を一切使うことができない少女だった?!彼女の魔法を妨げているものとは一体…?アレンの常識を覆す授業が、少女の未来をやさしく照らすー。
ティナとエリーの家庭教師として魔法授業を開始したアレン。エリーがあっという間に成長していく一方、ティナは一向に魔法を発動できるようにならず、その差は開くばかり。少しずつティナの中には劣等感が募っていき……。 解決策を探るため、書庫へやってきたアレンは、勉強しようとやってきたティナとメイド長のシェリーの姿を見かける。
魔法が使えるようにならない焦りから魔力を暴走させたティナ。魔力の暴走を抑えようと試みるアレンは、吹雪の中でティナの中にあるものを目にする。それこそがティナの魔法発動を妨げていた「何か」だった—— その後、ティナは魔法を使えるようになるも、ワルターは王立学校受験を頑に認めようとしない。 反発するアレンに、ワルターはある条件を提示する。