宇宙世紀0079年。ジオン独立戦争初期、試験支援艦ヨーツンヘイムは試作兵器である艦隊決戦砲「ヨルムンガンド」をジオン本国からサイド5(通称ルウム)宙域へと移送していた。後に”ルウム戦役”と呼ばれる一大艦隊戦に参加するためだ。この部隊には大学を卒業したばかりのオリヴァー・マイ技術中尉、総帥府から派遣されたエリート女性士官のモニク・キャディラック特務大尉をはじめ雑多な人間たちで構成され、その中にベテラン砲術長アレクサンドロ・ヘンメ大尉もいた。 ジオン本国からヨルムンガンドこそ艦隊戦の雌雄を決する切り札と聞かされ、ヨルムンガンドは臨戦態勢に入りヘンメも砲術長としての誇りをかけて連邦軍艦隊を殲滅せんと待ちつづけるが…。
連邦軍の「星一号作戦」が進行し、戦いの舞台が月の裏側へと移行する中、 総帥府は次なる連邦軍の攻撃目標が宇宙要塞ア・バオア・クーと判断する。 その予想通り、ア・バオア・クー宙域へと進軍する連邦軍艦隊。これに対抗し、ジオン本国からも多くのジオン艦艇が出航した。 第603技術試験隊にも、ア・バオア・クーへの参集の命が下る。彼らの新たな任務は駆逐モビルポッド「オッゴ」の実戦での評価試験であったが、それは事実上、評価試験などではなく実戦配備に他ならなかった。 大量のオッゴがヨーツンヘイムに搬入され、整備を受ける中、ヘルベルト・フォン・カスペン大佐の操るゲルググが着艦。第603技術試験隊はカスペン戦闘大隊に編入された。 そして、ほぼ同時にヨーツンヘイムにオッゴのパイロット達が着任する。彼らは実戦経験が皆無に等しい年少兵であった。そんな数多くの年少兵の中に、自らカスペン大佐の前に出て、決意表明する少年がいた。 彼の名はエルヴィン・キャディラック曹長。 モニク・キャディラック特務大尉の弟である。 彼ら年少兵、そして第603技術試験隊の運命は…。
U.C.0079.12.31、ついに1年戦争の天王山「ア・バオア・クー攻防戦」の火蓋は切られた。ア・バオア・クーの各フィールドでは数多くの戦闘光が確認できる。 その頃、ヨーツンヘイムブリッジのメインモニターに謎のモビルアーマーの図面が写る、「MA-05Ad ビグ・ラング」。 そしてカスペン大佐は苛立ちながら、プロホノウ艦長をはじめブリッジにいるヨーツンヘイムクルーに防衛司令部の命令を言い放つ。このモビルアーマーを以ってEフィールドを防衛せよ、と。 戦況不利となり退却を余儀なくされるジオン軍。特攻するかのようにEフィールドに向かうヨーツンヘイム。防衛戦闘のために大量に投入されるオッゴと年少兵たち。ザク・マシンガンを放ち応戦するヅダ。任務を遂行するビグ・ラング。もはや形勢は押し返すことは無いというのに・・・。そして遂に、地球連邦軍は、ア・バオア・クーに着岸した。Eフィールドで、ヨーツンヘイムは、雲霞の如き地球連邦軍モビルスーツ群の猛攻に曝される。 マイやキャディラック、そして第603技術試験隊の運命はいかに?
U.C.0079。 月の裏側にあるスペースコロニー群、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦に 独立戦争を仕掛けた。 これは後に「1年戦争」と呼ばれることとなる。 同年3月、ジオン軍は地球各地に電撃的な降下作戦を開始。 新兵器モビルスーツ・ザクの圧倒的な優位を背景に、地球上の版図を拡げていった。 U.C.0079.7。 ヨーロッパ北部戦線。壊滅した地球連邦軍の部隊があった。 横転したラコタからは黒煙と炎が上がっている。 そこに、負傷し横たわった連邦軍兵士が1機の白いザクを見上げていた。 そして、地球連邦軍の戦車訓練場。 第301戦車中隊第1小隊へある若い戦車兵が転属してきた。 61式戦車のドライバーを務めるレイバン・スラー軍曹である。 小高い丘でエンストしていた61式戦車にスラーが近寄ると、61式の車長の声が流れた。 その声は、61式に搭乗し始動するよう命じた。エンジンが始動するなりいきなりの戦闘訓練参加に戸惑うスラー。 戦闘訓練後、61式の砲塔の脇に夕陽を背負った男が現れた。 スラーがペアを組むことになった車長のハーマン・ヤンデル中尉だった。
U.C.0079.10。 地球連邦軍はジオン公国軍に対し、一年戦争最大規模の地上戦となるヨーロッパ方面への反攻作戦を決行した。 総司令官レビル大将はジオン公国軍の鉱山資源採掘基地オデッサの奪還を最終目標として進軍したのだ。 U.C.0079.11.08。 オデッサ戦線の最前線にいる第44機械化混成連隊はモビルスーツの配備を受け、 独立混成第44旅団と改編されていた。 そこへ3輌のガンタンクとアリーヌたち搭乗員3名が到着した。ガンタンクのパイロット達は、 ジオン軍に総力戦を挑むべく配属された囚人兵だ。 戦闘前夜アリーヌは、あるものに遭遇する。 決戦の火蓋は切って落とされた。 ジオンのMSザクやグフに挑む陸戦ジムや61式戦車、ビッグ・トレー。 その中でガンタンク小隊はジオン軍の主力艦であるダブデの撃破に立ち向かうが…。 ガンダム史上最大の総力戦が始まる!