昭和59年秋。 蜷川幸雄に憧れる演出家の卵、久部三成(菅田将暉)は、路頭に迷っていた。 彼のあまりの横暴ぶりに、劇団から追放されてしまったのだ。 あてもなく彷徨う久部が迷い込んだのは、怪しいアーケード街だった。 ストリップ小屋のネオンが光るその商店街は、「八分坂」。 渋谷駅から8分でたどり着くから八分坂と呼ばれているのだが、そのアーケードにはこう刻まれている。 “Pray speak what has happened(何があったか話してごらん)” 無料案内所のオババ(菊地凛子)に誘われて、久部はWS劇場の扉を開く…。