東京オリンピックから早4年。防犯カメラの普及で犯罪検挙率が向上した陸地と違い、今なお犯罪の穴場になっている水上対策のため、警視庁は湾岸部に『東京水上警察署』を復活させる。そこに集められたのは、強い個性を持った経歴も性格もバラバラな集団だった。 強行犯係の係長でリーダーの碇拓真(佐藤隆太)は、所轄刑事として20年以上働いてきたが、私生活を顧みなかったせいか、バツ2で3人の子持ち。しかし刑事としての観察眼は鋭く、事件解決のためなら危ない橋も平気で渡る男だ。日下部峻(加藤シゲアキ)は、警視庁本部のエリート集団である捜査一課から望まぬ異動で水上警察署に配属された刑事。手柄をあげて一刻も早く本部に戻ろうと考えている。有馬礼子(山下美月)は、警察官ではなく、船舶免許を持ち、海や川の完全を守る警察の専門職員・海技職員だ。そして水上警察署を束ねる署長は、有馬と同じ海技職員から警察官に鞍替えした異色の経歴を持つ玉虫肇(椎名桔平)だった。 水上警察署発足からまもなく、人間の指らしきものが入っている発泡スチロールの箱が漂流しているとの通報が入る。警備艇『あかつき』でただちに現場へと向かう碇たち。すると箱の中には、黒く変色した指のようなものと、溶けかけたメモが入っていた。メモはほとんど判別できない状態だったが、「次は」という文字が書いてあるように見えた。水上署には捜査一課と合同の捜査班が立ち上がるが……。
東京湾唯一の人工無人島『第六台場』で、銃殺され半ば白骨化した遺体が発見された。遺体は、介護施設『キズナオーシャン豊洲』の入居者で、資産家の服部義光のものだった。水上警察署の碇拓真(佐藤隆太)や日下部峻(加藤シゲアキ)は、容疑者として同施設の介護職員だった三上慎吾(松本怜生)の行方を追い、小型船で逃亡を図ろうとする三上を追い詰めた。だがそこで、三上は小型船に同乗していた田淵響(山崎裕太)に拳銃で撃たれ、海に落ちてしまう。田淵は、薬物の密輸船を狙った強盗グループの主犯格として碇が以前からマークしていた男で、台場周辺で暴れ回っていた暴走族『湾岸ウォリアーズ』の元メンバーでもあった。湾岸ウォリアーズのメンバーは、総長の黒木謙一(柿澤勇人)を崇拝し、舞台を陸から海に移していまも活動を続けているという。 碇と日下部は、一命を取り留めた三上に会いに行く。だが三上は、何も答えようとはしなかった。三上に寄り添い、何とか話を聞こうとする日下部。三上は、そんな日下部を信頼し、服部は自殺だと明かす。田淵の行方を問われた三上は、「観閲式の日……」と言いかけるが、そこに湾岸署の和田毅(谷田歩)たちが現れ、三上の身柄の引き渡しを要求して日下部を病室から追い出してしまう。 日下部から報告を受けた碇は、毎週水曜日にキズナオーシャンの入居者が毒殺されているという事件の捜査にシフトするが……。