ずっとずっと、昔のこと。はるかな天空に浮かぶ、美しい王国。 その玉座で丸まる気高き白猫に、泥にまみれた黒猫が恋をした。それが、すべてのはじまり――。 黒の王国の辺境の集落で、少年は慎ましい暮らしをしていた。 しかしある時、少年の住む村に現れた魔獣のせいで、村は壊滅してしまう。 一人だけ生き残った少年は、村人の墓を掘っていた。そこへ、黒い鎧を纏った謎の剣士、スキアーズが現れ――
白の王国の守護神である光の王アイリスは、光と闇の均衡が闇の王によって破られる事を懸念していた。 そこへ、バール出現の知らせが入る。均衡を乱す存在バールは、破滅的な力で西の都を蹂躙する。 一方、黒の王国で王を目指す少年は、スキアーズの館で暗黒騎士ヴァルアスから修行を受け、闇の王後継者候補として成長していた。
アイリスは自身が光の王になる前、シーマと共に修行した頃を思い出していた。王として、孤独と向き合い戦い抜く事を決意するアイリス。 一方、グローザに連れられ闘技場に来た少年は、スキアーズ家の代表として王位継承者決定戦に挑む。そこで、同じ候補者であるアデルと対決する。
白の王国に特使として派遣されたアデルと闇の王子。ファイオスに警戒されながらも、光の王アイリスと初めて対面する。 バールと戦うための、両王国の共闘の盟約を届けるアデルと闇の王子。 すぐには受け入れられないアイリスは、返答をためらうが――
”均衡の一端”バールが黒の王国に現れる。 驚異的な戦闘力で、闇も光も等しく滅ぼそうとするバールは、ヴァルアス、グローザ率いる王国軍と全面対決する。 総力を挙げて抑え込もうとする黒の王国だが、力の差は歴然であった――
バールとの闘いで力を使い果たしたアイリス。回復には時間がかかるが、意外にも黒の王国は停戦を申し入れる。 今後白の王国に攻め入らぬよう、闇の王に進言すると話すアデル。光と闇の戦士たちは、しばしの休息に、街で親睦を深める。 そんな時、グローザの提案で、お互いの着ている服を交換することになり――
アイリスの提案で山菜採りに向かう、光と闇の戦士たち。 山菜採り競争を提案するアデルだったが、アイリスの知識に誰も太刀打ちができない。 嬉しそうに山菜を採るアイリスに、感心する闇の王子。 そんな時、テオの姿が見当たらなくなり――
黒の王国に帰る事となった、アデルと闇の王子。 アイリスは白と黒の平和的な均衡を信じ、通商の盟約を結ぼうとしていた。 騎士団長ファイオスともすっかり打ち解けた二人は、アイリスに最後の挨拶をするため王宮に向かうのだが――
闇の王子と約束を交わしたアイリス。だが、度重なる戦いで疲弊し、力を失っていた。 ファイオスはアイリスを回復させる為、エルフの長アランティアと清浄なるソウルの塊を探しに行く。 一方、黒の王国に戻った闇の王子は、光と闇の在り方に疑問を感じていた。グローザと共に魔獣退治を命じられた王子は、辺境の地へと向かうが――
アイリスは光の王として、黒と白の均衡を保つ重みを実感していた。しかし、自分一人ではこの状況を変える事はできなかった。 アランティアと共にソウルの泉に辿り着いたファイオスは、光輝の雫を発見する。 黒の王国では、闇の王子とグローザが崖の底で強敵バフォメットと対峙していた――
黒の王国の城下町。空では大量の軍船が天へと昇る。 闇の王は、白の王国を闇で染めるため、決戦に向かおうとしていた。 光輝の雫によって力を取り戻したアイリスは、始祖のルーンの力で王国民を強化し、黒の軍勢を迎え撃つ。 闇の王とアイリス、闇と光の根源が対峙する――
黒の王国の王宮へと案内された闇の王子。そこへ、思いも掛けない人物が現れる。 闇の王の策略を告げられた闇の王子は、秘められていた真の力を開放する。 白の王国では、アイリスとシーマが全てを注ぎ込んだ”運命の歯車”をもってしても、避けることのできない滅びが迫っていた。 闇の王の力がアイリスの力を上回り、王国が、闇の瘴気に覆われていく。 自分の全てが通じない事を悟った光の王は、最後の決断をする――