瀧沢完治(佐々木蔵之介)は勤続28年の銀行マン。懸命に勤めた甲斐あり、若葉銀行新宿支店長にまで上り詰め、自他共に認める出世頭だった。優秀ゆえ、部下の女性から熱い視線を送られることもあるが、完治は応えない。不倫は出世の致命傷になるし、興味がなかった。 妻の真璃子(中山美穂)もその点は完治を信用し、ずっと支え続けている。働き詰めの完治と時間をあまり共有出来ない真璃子の生きがいは娘、美咲(石川 恋)。その状態がもう20年以上続き、夫婦にはそれが日常になっていた。 そんな中、真璃子は美咲から、近々恋人の日野春輝(藤井流星)を紹介したいと言われ、ショックを受ける。自分から娘を取ったら何が残るのか、そしてこれから先どうすればいいのか…。 一方、最優秀店舗賞まで獲り、すぐにでも本店への昇進かという完治にも思わぬ出来事が起こる。出向を言い渡されてしまったのだ。派閥長の不祥事の巻き添えで自分は切られた、と知った完治は、街を彷徨い場末の居酒屋でボロボロに飲み潰れる。そんな完治は目の前のグラスの氷を見て、ふとあることを思いつき…。 数日後、完治の姿はスイスにあった。真璃子には出張だと嘘をつき、一人で来てしまった。しかし、生憎の悪天候でマッターホルンには登頂はもちろん見ることも出来ない。それでも完治はマッターホルンへのロープウェイに乗る。吹雪の中、自分一人だと思っていたゴンドラに日本人女性、目黒 栞(黒木 瞳)が乗り込んできて…。
瀧沢完治(佐々木蔵之介)はスイスで出会った女性、目黒 栞(黒木 瞳)のことが忘れられずにいた。そんな時、出向先の荻野倉庫の食堂で働く栞と偶然再会。完治を見つけた途端に逃げ出す栞を引き止め、「会いたかったです」と思わず口にしてしまう。既婚者である完治の言動に戸惑いを隠せない栞だったが、スイスで飛ばされた傘の代わりを買ったから送りたいと言われ、母が入居している施設の住所を書いたメモを渡した。 瀧沢完治(佐々木蔵之介)はスイスで出会った女性、目黒 栞(黒木 瞳)のことが忘れられずにいた。そんな時、出向先の荻野倉庫の食堂で働く栞と偶然再会。完治を見つけた途端に逃げ出す栞を引き止め、「会いたかったです」と思わず口にしてしまう。既婚者である完治の言動に戸惑いを隠せない栞だったが、スイスで飛ばされた傘の代わりを買ったから送りたいと言われ、母が入居している施設の住所を書いたメモを渡した。 完治は正式に荻野倉庫への出向内示を受けたものの、真璃子と美咲には言えずにいた。思いに沈みながら、私物を整理していた完治に栞から電話が入る。傘のお礼を直接会って話したいと言われ舞い上がる完治。嬉しそうに電話する完治を、部下の篠田薫(本仮屋ユイカ)が見ていて…。
出向先の荻野倉庫に初出社をした瀧沢完治(佐々木蔵之介)だったが、周りの視線は冷たい。銀行からの出向者は、荻野倉庫の社員たちにとって煙たい存在でしかなかったのだ。職場になじもうとする完治の努力も虚しく、川本保(礼二)ら社員たちとの距離は一向に縮まりそうにない。 一方、銀行に完治の忘れ物を届けに行った真璃子(中山美穂)は、夫が出向したことを秘書の篠田薫(本仮屋ユイカ)から知らされる。大きなショックを受けた真璃子は、今までの不満を完治にぶつけてしまう。 そこへ帰宅した美咲(石川 恋)からも、自分の結婚までは出向を先延ばしにしてほしかったと責められる。婚約者である日野春輝(藤井流星)の母が家柄を気にするから、と。さらには先日春輝と会う約束をすっぽかした話も持ち出され、完治は謝るほかなかった。 家庭でも気が休まらない完治は、昼休みの社員食堂で目黒 栞(黒木 瞳)に会えることが楽しみだった。しかし、その日栞は目も合わせてもくれなかった。落ち込む完治に、先程の態度を謝罪するメールが届く。社外では会えると言う栞を、完治は近いうちに山へ行こうと誘う。栞と約束した日を楽しみにする完治だったが、突然の連絡が若葉銀行のかつての同期から入ってしまう。 その頃、真瑠子は友人の水原聡美(八木亜希子)に離婚という選択肢を提案され、その時は否定したもののやはり気になり自宅のパソコンで、離婚について調べていた。その様子を、美咲を迎えに来た春輝に見られてしまい…。
銀行復帰への道を探るため接待ゴルフに参加した瀧沢完治(佐々木蔵之介)だったが、虚しさだけが去来し、その場を去った。目黒 栞(黒木 瞳)と会うことで心を癒した完治は、別れ際に栞からキスされ驚く。 一方、妻の真璃子(中山美穂)は日野春輝(藤井流星)から「最近美咲(石川 恋)の元気がない」と聞かされ、その本当の理由を告げに春輝の事務所へ。しかし、夫や娘に募る不安や悩みを吐露するうち、春輝の優しさに触れ、思わず涙が溢れてしまう。春輝はそんな真璃子にそっと自分のハンカチを差し出した。 日曜日には、瀧沢家に春輝が再訪。真璃子と美咲は歓迎するが、春輝と初対面の完治は、美咲のためを思って年収や家のことなどを率直に尋ねる。真璃子たちは完治を止めようとするが春輝は臆せず答える。その完璧な返答に圧倒された完治は、春輝が帰った途端、美咲から怒りをぶつけられてしまう。 荻野倉庫に出社した完治は、重要書類は鍵をかけて保管すべきだと提案。だが、そんなに社内の人間が信用ならないのか、と川本 保(礼二)たちにつっぱねられる。完全に社員たちに嫌われてしまった完治。やるせなく社を後にすると栞が待っていた。 居酒屋「一番星」に並んだ二人。川本たちとの会話を見ていた栞は、銀行の常識が通用しないこともあると告げる。素直に胸の内を語り合い、食事をして別れるだけの関係。今はまだ、それだけで癒される二人だった。 真璃子は美咲のうなじにキスの跡を目撃。春輝のものなのか?しかし、その美咲は両親や春輝も知らない重大な秘密を抱えていた…。
瀧沢完治(佐々木蔵之介)と目黒 栞(黒木 瞳)の関係は、先へ進もうとしていた。しかし、二人で入ったホテルで、完治は娘の美咲(石川 恋)と会ってしまう。美咲の隣には婚約者の日野春輝(藤井流星)ではなく完治よりも年上と思わしき男(高田純次)。あの男は誰なのか。その場は無言ですれ違う父娘だったが、完治は美咲のことで頭がいっぱいに。結局、栞と結ばれることが出来なかった。 その頃、春輝と映画を見てきた真璃子(中山美穂)が帰宅。まだ、美咲は帰っていない。真璃子は美咲には他に好きな人がいるのでは? と言った春輝の言葉が引っかかっていたが打ち消していた。次の朝、完治と美咲は通勤途中で落ち合う。昨晩の事を問い質そうとする完治だが、逆に美咲から栞のことを尋ねられ、答えに窮する。私は春輝と結婚する、結婚と恋愛は別、と言い放つ美咲に完治は二の句が継げなかった。 出社した完治は栞と会い、昨晩の事を詫びる。完治と一緒にいるだけで楽しいと答えた栞は週末に山に連れて行って欲しいと頼む。完治は喜んで約束。だが、家に帰った完治に思わぬ出来事が。美咲が春輝も一緒に家族旅行に行こうと言うのだ。完治は栞に電話して山へ行く約束をキャンセル。明るく答える栞だが、その声に完治は寂しさを感じる。 週末、春輝の運転で温泉旅行に出かける完治たち。何事もなかったかのように春輝と話す美咲に完治は苦虫を噛み潰したかの表情。そして、この旅行は瀧沢家の溝をさらに深めようとしていた…。
目黒 栞(黒木 瞳)とついに一晩過ごした瀧沢完治(佐々木蔵之介)。真璃子(中山美穂)には、銀行の同期と飲んでいたらタイミングを逃したので、井上英樹(平山祐介)の家に泊まると電話した。そんな完治を栞は心配そうに見ていた。 翌朝、栞と朝食を共にし、清々しい朝を迎えた完治。しかし、帰宅する完治を送り出し、洗濯物を干し始めた栞は体に異変を感じる。一方、家に帰ったもののすぐに出社する完治の姿に途方に暮れる真璃子は、水原聡美(八木亜希子)に夫の浮気は確定的だと打ち明ける。思わず出てしまった完治の携帯電話から聞こえてきた知らない女性の声、表示された目黒栞という名前、そして明らかにおかしい昨晩の外泊…。ここまでハッキリ浮気と分かってしまうと逆に問いただす気にもなれないと真璃子は嘆く。 美咲(石川 恋)と日野春輝(藤井流星)の結婚を進めるため両家で顔合わせをすることになり、日野家に出向いた完治たちは、豪華な邸宅や春輝の母・冴(麻生祐未)の厳しい目、凜とした物言いに気圧される。特に、早く孫をと望む冴のプレッシャーに窮屈そうな美咲。帰り道、完治は美咲に戸浪恭介(高田純次)とは別れるのか問い質す。きちんと別れるから心配しないでと答える美咲。 完治が荻野倉庫に出社すると、川本 保(礼二)が荒れていた。メインの取引先から契約を打ち切られた、という。完治は融資を頼みにかつての勤め先、若葉銀行へと赴くが…。
瀧沢完治(佐々木蔵之介)の病室に、水原聡美(八木亜希子)と須藤武史(岡田浩暉)が見舞いに来た。須藤と聡美は交際を始めたという。聡美と買い物に出た真璃子(中山美穂)は、須藤と屈託なく仕事の話をする完治の姿に寂しさを感じる。 真璃子が家に帰ると、日野春輝(藤井流星)から電話が入った。完治の容体について話す二人だが、美咲の話題になると気まずい空気になる。また連絡して良いかと言う春輝に、美咲のいないと時にはかけてこないで、と真璃子は断って電話を切った。 退院した完治が荻野倉庫に出社。大口の取引先に契約を打ち切られ経営は相変わらず苦しい。完治の入院に一端の責任を感じる川本 保(礼二)は気まずそうにしながらも、「経費削減」をうったえる。そんな川本に、完治は新事業の資料を差し出す。須藤から、別れた家族の思い出の品を倉庫で預かって欲しいと頼まれた完治は、捨てられない品を個別で預かるサービスを考えたのだ。商売として成り立たないと反対する川本だが、荷物の整理まで一人で行うと言う完治の熱意に負けて渋々了承する。 その昼、食堂で働く目黒 栞(黒木 瞳)を見つけるが何故かよそよそしい態度。気がかりながらも、完治は新事業を軌道に乗せるため駆けずり回り残業をこなす毎日…。その理由を尋ねることもできないまま栞と会えない日々が続いた。実は、栞は完治と別れて欲しいと美咲に言われたことに大きく心を揺さぶられ、ある大きな決断を下そうとしていた…。 そんななか、美咲と春輝の結納が行われることになり…。
瀧沢完治(佐々木蔵之介)と 真璃子(中山美穂)の娘、 美咲(石川 恋)が姿を消した。美咲は日野春輝(藤井流星)との結納をすませたばかりだ。テーブルには「先生とロンドンに行く」という美咲のメモ。美咲の相手が、40歳近く離れた戸浪恭介(高田純次)だと完治に聞かされ真璃子は驚愕する。しかしそれ以上に、完治だけが二人の関係を知らされていたことに大きなショックを受ける。目黒 栞(黒木 瞳)とホテルにいた時に鉢合わせしたと言えない完治は、偶然二人が一緒にいるところを見たからだと話す。だが、その曖昧な説明に真璃子はさらに動揺する。 完治と真璃子は日野家に経緯を詫びに行く。謝るしかない完治たちは、帰りに激昂する 冴(麻生祐未)に塩を撒かれる。昏倒しそうな冴を支え、「僕も悪いんだ」と言う春輝の言葉に冴は疑問を抱く。 荻野倉庫に出社した完治が食堂を覗くが栞の姿はない。そんな完治は朝礼で社長に想い出ボックスが評判になっていると称えられた。自分の手柄ではなく、 川本 保(礼二)たちが支えてくれたからだと応える完治。完治は銀行の融資を確約し、川本との距離も縮まりつつあった。 食堂で小俣房江(山口美也子)から栞が体調不良で休んでいると聞いた完治は家を訪ねる。すると栞は頑として会おうとせず、完治は追い返されてしまった。家に帰った完治は真璃子と二人きりの夕食。美咲を心配する真璃子を完治がなだめているとドアチャイムが鳴る。やって来たのは戸浪の妻、和代(松本留美)で…。
瀧沢完治(佐々木蔵之介)の前から 目黒 栞(黒木 瞳)が姿を消した。家を引き払い、食堂の仕事も辞め、行方が分からない。そんななか完治は若葉銀行から復職を打診される。倉庫の仕事にやりがいを感じ始めていた完治はすぐに答えを出せずにいた。また、 真璃子(中山美穂)も大きな決断をしようとしていた。 完治は真璃子に銀行からの話をする。そんな完治に、真璃子は家を出て行こうと思うと切り出した。驚く完治に、真璃子は栞の存在を知っていることを打ち明けた。栞と一緒にいる完治が、今まで見たことのないぐらい幸せそうな顔をしているのを見て、私も別の生き方を考えてみたくなったと語る真璃子。完治は何も答えられなかった。 真璃子は 水原聡美(八木亜希子)のマンションへ。だが、聡美から須藤武史(岡田浩暉)と結婚すると告白を受け、真璃子は自分の存在が聡美の邪魔になると気を遣い、家を出る。とは言うものの行き場所のない真璃子は、街をさまよい自分の無力感を痛感する…そんな真璃子は、ある場所で偶然 日野春輝(藤井流星)を見かける。 冴(麻生祐未)の介護で疲れ果てた様子を見かねた真璃子は日野家を訪ね…。
瀧沢完治(佐々木蔵之介)は異例の人事で若葉銀行に戻ることになった。しかし、妻の真璃子(中山美穂)は家を出て行き、日野 冴(麻生祐未)の世話をする形で春輝(藤井流星)を支えている。完治が想いを寄せる目黒 栞(黒木 瞳)も姿を消し、音沙汰がない。 完治は銀行復帰後、不正融資の内部調査委員会委員長を任される。その矢先、同期で融資部長の井上英樹(平山祐介)が自殺を図ってしまう 一方、真璃子は春輝と冴をホスピスへと送る。真璃子のこれまでの献身的な世話に感謝する冴。だが冴は、春輝との関係は今日で終わりにしてほしいと冴は真璃子に釘を刺した。真璃子は他へ行くところもなく、瀧沢家へ戻ることに…。 一度は壊れかけた、完治と真璃子の夫婦仲は修復されるのか?一方で栞の病は日々進行していく。完治と栞は果たして再会することができるのか?運命の恋の行方はいかに…!?