山道から滑り落ち、怪我をした謳華の前に現れたのは――新だった。かつて父と母が出会ったときのように、謳華をおぶって下山する新。すると、謳華はどうして富士山の山頂を目指したのかを語りはじめ、堰を切ったように抱えていた苦しみを吐露する。新もまた謳華の思いを受け止め、ここにやってきた理由を語る。