高校生活のはじまり。期待いっぱいで入学した高橋七美は、 クラスの女子の3分の2が必ず好きになるという矢野元晴 と出逢う。最初はちょっとイヤなヤツという印象だったの だが、矢野の繊細な心と優しさ、そしてその笑顔に七美は 不覚にも心を惹かれて行く。それは充分すぎるほどの「恋 のはじまり」でもあった。
七美は矢野の親友・竹内匡史から同じクラスメートの山本有里の 姉・奈々が、矢野の元カノだった事を知る。そして、その奈々が 交通事故で他界している事も・・・。事実を知りショックを受け る七美。でも押さえ切れない思いをついに矢野に告白してしまう。 でも矢野の答えは・・・。 数日後、文化祭の準備を進めていた七美はミスをしてしまう。落 ち込む七美に矢野は「心配すんな」と声をかけ、委員会に向かうのだった。
夏休みに入り、矢野と会えない日々が続く七美。 夏祭りで竹内から奈々の命日の事を聞かされ、思わず矢野の家を訪ねてしまう。 一見元気そうな矢野であったが、「ずっと見守ってるから」という七美の言葉に素直になる矢野。 そして二人の距離が徐々に縮まったかに見えた・・・ が、まだ矢野は奈々との思い出を夢の中で見ていた。
文化祭が近づくにつれ、七美は矢野と微妙な距離感を感じてしまう。 それでも矢野に対し鼓舞したり励ましたりする七美。そんな七美の姿に矢野は戸惑っていた。 文化祭当日、クラスの出し物の演劇のセリフを全て忘れてしまう矢野だったが、 七美の「矢野はちゃんとできる!!」という言葉に思わず笑みを浮かべる。
付き合いはじめた七美と矢野。世界の色が一変した後夜祭のあと、 七美は一睡もできずに朝を迎え、登校後もまともに矢野の顔が見れない。 それでもその日の放課後、七美と矢野は初デートで映画を観に行く。 そして、両思いの幸せを胸いっぱいに感じた七美は矢野に クリスマスプレゼントは何が欲しいのと尋ねる。すると矢野は・・・。
七美は矢野と二人で買い物に出掛け、アクセサリーショップで竹内の 姉・文香と出会う。文香の事が苦手なのか変に緊張する矢野だったが、 七美のためにクリスマスプレゼントを購入する事に。そして、その帰 り道、竹内の話題を出す七美に嫉妬する矢野。時を重ねるごとに二人 はそれぞれが欠かせない存在となって行く事に気付く。
七美のクリスマスプレゼントを受け取りに文香のアクセサリーショップを訪れる矢野。 そこで矢野は文香から奈々の墓参りに行くように注意されるが頑なに拒否する。 そしてクリスマスの日、矢野は七美にリングをプレゼントする。 うれし涙でいっぱいの七美。 「矢野に出逢ってから涙もろくなったみたいだよ。」 その後七美は偶然、矢野が有里の前で涙を流した事実を知る。どうしても涙の訳を知りたい七美、だが矢野の答えは・・・。
見え隠れする矢野の過去は、時々七美をしめつける。そして、かつて 矢野と有里の間に何かあったと感じる七美であったが、矢野を信じる事に。 しかし、矢野の胸中は・・・。数日後、七美は矢野の家を訪れる。 矢野と奈々の過去に嫉妬していた七美だったが、矢野の 「過去に負けない今を作ろう」という言葉に、全てを捧げる決心をする。
矢野に全てを捧げると決心した七美、だが矢野の母が帰ってきてしまい・・・。 悶々とする矢野をよそに、それでも七美は幸せをかみしめる。 ある日、七美と矢野はプラネタリウムデートに出掛ける。「いっぱい思い出作ろう」と言う七美に、矢野の答えは・・・。 そんな七美と矢野の距離が縮まって行く事に気付く有里とそれを見守る竹内。 それぞれの切ない胸の内が垣間見えてくる。
偶然、有里が持っていた矢野と奈々たちの写真を手にする七美。 その写真を見た七美は有里と亡くなった奈々に嫉妬、だがその写真が原因で矢野と喧嘩してしまう。 日曜日、竹内の誕生会に呼ばれた七美は、矢野の時折見せる冷たさと優しさに翻弄されるが、星空の下で仲直りする。 だが、そんなふたりの間に割り込むように、有里が矢野の家を尋ねてくる。
突然、矢野の家を尋ねて来た有里は七美と矢野の目の前で、奈々が事故死した日の事を話し始める。 七美に話を聞かせたくない矢野。しかし七美は、矢野と有里の過去に何かあったと逆に疑いを持ってしまう。 それは、どうしても埋まり切れない距離を実感してしまう瞬間でもあった・・・。 ある日、七美は意をけっして有里との過去について、矢野に答えを求める。 矢野の出した「答え」とは・・・!?
矢野と有里の過去にあった「真実」を聞いてしまった七美。隠していたのは矢野の優しさと知りつつ、裏切られた思いを払拭できずに日々を過ごす。 ある日、矢野が花束を持って七美の家を尋ねてくる。はじめは会わないと決めていた七美、だが矢野の「想い」や「痛み」が駆け巡り、許してしまう。 今度こそ、過去を含めて矢野を受け入れようとする七美は、矢野と海に行く。 そこは奈々の思い出が眠る海。そして二人は・・・。
矢野の心の中に確実に「奈々」が存在する事を知ってしまった七美は、矢野に別れを告げる。 それは矢野とのごく普通の日常が無くなり、心の中にぽっかり穴があいている事に気付く事でもあった。そしてついつい竹内の優しさに甘えてしまう。 ある日矢野は誘われるままにクラスメートと合コンに出るが、七美への想いを「過去」にできない。 そんな二人の心が微妙に交錯するのをはたから見ていた竹内は、ついに矢野に・・・!?
いつも矢野と同じ人を好きになってしまう竹内。奈々の時もそうだった竹内はついに矢野に「宣戦布告」する。 そんな竹内の思いを七美は何となく気付くが、矢野と竹内の間の「親友」という壁に特別な意味はないと思ってしまう。 そして文化祭が近づいてきたある日、矢野と竹内は、七美の戸惑う微妙な心情を聞いてしまう。
何も言わないのに自分のそばに飛んでくる竹内。優しい目を向けてくれる竹内に七美の心は揺れ始める。 と、同時に矢野の事が「過去」にできない自分にも気付く七美。 文化祭当日、七美は文香に会う。七美は自分自身の気持ちに整理がついていない事を文香に打ち明ける。 そして1年前、奇跡が舞い降りた「後夜祭」。 七美、矢野、竹内、有里のそれぞれの気持ちが交錯する・・・。
運命の後夜祭「告白タイム」。七美に想いを告白する竹内を察した矢野は、その告白を阻止するために強硬手段に出る。 だまされてしまう人のいい竹内・・・。その後必死で七美を探す矢野、だが気持ちが整理し切れてない七美はそんな矢野から逃げてしまう。 一方、だまされた竹内も必死で七美を探す。そして矢野より先に七美を見つけた竹内は七美に優しく語りかける。輝く星空の下、それぞれが出す答えとは!?
ひとまず友達以上恋人未満の関係になる七美と矢野。七美はやり直すためには、死んでしまった奈々の事をちゃんと知りたいと矢野に伝える。 それは矢野を信じたいという思いから・・・。だが竹内は「自分の気持ちに正直になってみたら」と七美に告げる。 そう、竹内は七美と矢野が結局は「両思い」という事にうすうす感じていたのだった。 そして七美に、初めて自分の家族の事を話す矢野。お互いの「信じる気持ち」が二人のあいだを・・・。
気持ちは決まっているのに、信じる思いが足りない事に気付く七美。そして矢野も七美に奈々の事を話せないでいた。 はじめて両思いの幸せをかみしめた映画館を訪れる七美と矢野。しかしそこでも矢野は七美に奈々の事を話せない・・・。やはり以前のようには戻れないの? 信じる気持ちを見失う七美。すると、矢野が事故で亡くなる前の奈々との出来事を話し始めた。それは矢野の心が開きかけた瞬間でもあった。
再び付き合いはじめた七美と矢野。今度こそ信じ合えるかけがえのない日々を過ごそうと強く思う七美は、久々に矢野を家に迎える。 一方の竹内は、七美への想いをふっきろうと合コンに行ったりもするが、当然心が満たされるわけもなく・・・。 それでも七美の幸せが自分の幸せだと言い聞かせる竹内。そんな竹内を見て姉の文香は、「恋愛」について問いかける。 その答えが判らない竹内は・・・。そして有里にも微妙な変化が・・・。
合コンで知り合った女の子に「1ヶ月だけチャンスをください」と突然告白された竹内は、自分を変えて前に進もうと付き合う決心をする。しかし矢野は好きでもないのに付き合う竹内に納得できない。 一方、眼鏡を外してコンタクトに変えた有里。ある日矢野から「メガネの方がらしいよ」と告げられるが・・・。 冬空の下、いつもの公園で会う七美と矢野。星が見守る中、矢野は「早く大人になりたい」と七美に言う。そして「永遠はきっとある」とも・・・。
「・・・土曜の夜、うちに泊まりに来ない?」矢野を家に招待する七美。それぞれふたりで過ごす夜に想いを馳せながら、その日を心待ちにする。 当日、七美のもとへと向かう矢野は、偶然竹内に出会ってしまう。気まずい空気が走るなか、矢野の携帯に有里から電話が。 有里の母親が倒れたことを知った矢野は、七美のもとに向かうバスに乗らず、有里のいる病院へ向かってしまう。病院へ駆けつけた矢野に対し有里の口からついに・・・。
涙を浮かべる七美を家まで送る竹内。矢野も駆けつけるが、七美は矢野を拒絶する。 翌日、矢野は熱を出して倒れてしまった。複雑な気持ちを抱えながらもお見舞いに向かう七美だったが、矢野の家の前で有里とはちあわせに。 七美は「矢野に近づかないでほしい」と有里に伝えるが、それに対する有里の言葉は七美を深く傷つける。立ちつくす七美の姿を見て、竹内はついに・・・。 一方矢野は、母親からある重大な決意を聞かされ・・・。
竹内は矢野に七美へ告白したことを告げる。しかし実は、竹内は七美からの返事を聞かずにいた。 一方で、七美は矢野と付き合っていくことに自信を失っていた。学校で会っても矢野に冷たくしてしまう七美、そして再びぶつかりあう二人・・・。 そんななか、有里は矢野のあとを必死に追い続けていた。あいかわらず冷たい態度をとる矢野だったが、ひたむきに矢野を追いかける有里に、ついに矢野は手を差し伸べる・・・。
矢野の家では、母親の上京の準備がすすんでいた。これから待ち受けている東京での母親の一人暮らし。 それはあきらかに厳しいもので、矢野は心配になる。母親を一人で東京へ行かせるか、母親と一緒に東京へ行くかー 。矢野の心が揺らいでいるのを見抜いた竹内は、それを七美に告げる。 竹内の話を聞いて、はじめて矢野のおかれている状況を知った七美は、矢野のもとを訪れ、本当の気持ちを矢野に伝えはじめた・・・。
東京の大学への合格をめざし受験勉強に励む矢野と七美。そんな日々のなか、矢野は東京行きの答えを出せずにいた。 一方七美は、矢野に「行っていい」と言ってしまったことを後悔し、思い悩む・・・。 早く大人になって七美を守る人間になると誓う矢野と、そんな矢野のために生きたいと願う七美。 ある日、矢野は七美に今度のクリスマスを一緒に過ごそうと提案する。 しかし、そんな矢野の心にはすでにある決断がなされていた・・・。
東京へ行くことを決意した矢野は、一週間はやいクリスマスを温泉で過ごそうと七美に提案する。 しかし、限られた時間だからこそふだんどおりに過ごしたいという七美の願いから、矢野と七美は思い出の場所をめぐって過ごすことに。 2年間の二人の軌跡をたどりながら、七美は矢野と過ごすこの瞬間を大切に心に焼きつけていた。 「一年後、必ず東京で会う」と約束する二人。そして、矢野が東京へと旅立つ日がやってくる・・・。