ある日主水は、「おまえのうらかせぎしってるぞ」と書かれた付文が知らぬ間に懐に入っているのを発見。慌てて加代やおりくに繋ぎを取る主水だが、敵の正体や目的は分からない。そんな中、奉行所の上役・田中が何者かによって誘拐されてしまう。
南町奉行所は、強力な仕事人狩り部隊・覆面組を結成。そんな中「ねずみ小僧の女房」と名乗る松平家の中老・お初が、二十八年前に殺された夫・次郎吉の恨みを晴らして欲しいと、元締・初瀬に依頼。しかし覆面組を警戒する主水は、この仕事を断るのだった。
大久保彦左衛門の直系の子孫・彦次郎は、変わり者だが老いてもなお世を憂う硬骨漢。ところが彦次郎に見込まれ中間になった魚屋の太助が、何者かに殺されてしまう。太助の女房・お滝は彦次郎を犯人だと決め付け、恨みを晴らして欲しいと仕事を依頼するが……。
米問屋・大黒屋の手代・弥之助は、主人の娘・お勢をかどわし、金を奪った罪で打ち首と決まった。だが弥之助が水戸光圀公の印籠を持っていたので、斬首は保留となる。これを知った大黒屋の後見人・仁兵衛は…。
江戸でも屈指の小間物問屋・長崎屋市兵衛の後妻・お藤は、店の宣伝代わりに八百屋お七が着ていたという振袖を着て外出していた。ところがある日、長崎屋の先妻の娘・お小夜が顔見知りの秀を突然訪ね、何も聞かずにその振袖を預かって欲しいと頼むのだった。
人気女形・瀬川菊之丞が、さるお屋敷の奥女中・梅枝と心中。その数ヵ月後、遊び人の清二が何者かに斬り殺される事件が発生。清二が秀の作った簪を握り締めていたことから、秀は覆面組にマークされることに。事態を重く見た元締・初瀬は、秀の始末を命じる。
覆面組がいよいよ秀に的を絞り、襲撃を開始。その巻き添えで、さだの娘・みよが犠牲となってしまう。さだは娘の恨みを晴らして欲しいと仕事を依頼し、初瀬と主水らは覆面組との全面対決を決意。しかしその会話を、初瀬に仕える女中・みねが盗み聞きしていた。
近頃江戸には無宿者が増え、主水はその取り締まりで大忙し。その頃朝右衛門に仕える中間・与之吉は、主人の名刀を密かに売り飛ばそうとして、朝右衛門に捕えられていた。彼は幼馴染のおきちを岡場所から身請けするため、五十両もの大金を必要としていたのだ。
材木問屋・出羽屋の主人・大八は元関脇で、町火消し・め組とは三十年前の大喧嘩以来の犬猿の仲。そんな中、愛娘・お妙の祝言を控えた大八が何者かに殺されてしまう。現場付近でめ組の纏持ち・金次の鳶口が発見され、金次は追われる身となってしまうが……。
近頃江戸では、五人組の押込強盗が大暴れ。そんな中お歌は、皆殺しにされた両替商・近江屋の中で唯一生き残った少年・新吉と知り合う。一方、研ぎ師の元で名刀「関の孫六」を見かけた朝右衛門は、多くの血を吸っているその刀が兄・垣内左近のものだと知る。
最近江戸では、腕の良い鍛冶屋が次々と行方不明になっているという。そんな中、お歌と知り合いの鍛冶職人・清六は、廻船問屋・倉田屋からご禁制の鉄砲作りを頼まれることに。清六は、病に伏せる女房・お千代の薬代を都合するためこの仕事を請けるのだが……。
ある晩主水の同僚同心・岡島が刺殺され、その側で血まみれの匕首を持っていた女が捕えられた。女は岡場所・桔梗屋の女郎・弥生で、以前秀と同じ町内に住んでいた気立ての良い娘。死んだ岡島は、どうやら最近大量に出回っている阿片を追っていたらしいが……。
近頃江戸では常楽寺の美少年祈祷師・浄円が評判となり、連日大盛況。そんな中、夢次が岡惚れしていた娘・お里が常楽寺へお参りに出たきり消息を絶ってしまう。一方主水も「娘が戻らない」という訴えを何件も受けて常楽寺を探るが、行方は杳として知れない。
よろず口入処・出雲屋は、結婚志望の独身男女を見合いさせる商売で大繁盛。出雲屋の主人・清十郎は女形上がりの美男で、かつては主水や秀も認める腕利きの仕事人であった。一方、袋物問屋の若旦那・佐吉は出雲屋に紹介された娘・お澄を一目で気に入るが……。
江戸市中では相場取引が大流行し、投機の過熱を憂慮した幕府は相場の売買を禁止することに。そんな中、船宿・たつみ屋の当主・吉兵衛は札差・阿波屋に預けていた大金を奪われ、挙句この一件を奉行所へ訴え出ようとしたために、自殺に見せかけて殺されてしまう。
五年前に遠島の刑に処された盗賊・かげろう組の手下・おちかとおきぬが、島抜けして江戸に潜伏。二人は、処刑されたはずの頭が替え玉を使って生き延びていると知り、落とし前を付けようと考えたのだ。そんな中、おちかは偶然出会った夢次と親しくなり……。
江戸では、見知らぬ男女が話をする照蔵屋が大流行。大工の新八は、照蔵屋で知り合った商家の内儀と深い仲になり、彼女に乞われるままに両替商・備前屋の主人・清吉を襲撃。悲鳴を聞いて駆け付けた秀は、ノミで胸をひと突きにされた清吉を発見するのだった。
後藤備前守は、庶民の暮らしを第一に考える清廉潔白な大老。その備前守が、何者かによって拉致されてしまう。備前守に大恩のある朝右衛門は、これを知って主水らに助力を要請。お歌と秀は承知するが、主水は権力争いに巻き込まれるのを嫌って降りてしまう。
主水の釣り仲間・片山惣十郎は、貧しいながらも自らの道場を構える剣の達人。材木問屋・上州屋は、その道場を買いたいと頼み込むが、頑固な片山は大金を積まれても首を縦に振ろうとしない。上州屋は近隣の土地を手に入れ、抜け荷で儲けようと企んでいたのだ。
秀は、さだに紹介された美人絵師・千菊に「貴方の姿を絵にしたい」と頼み込まれる。裏の仕事のためにも極力人目を避けたい秀だが、千菊の絵に対する情熱に負けて、承諾することに。そんな中、千菊の絵の師匠・早雲が何者かによって惨殺されてしまう。
上方の元締からの仕事の依頼を請け、主水・秀・お歌は一路京へ。京の旅籠に落ち着いた秀は、健気に働く娘・お里と親しくなる。そんな中、同じく京へ辿り着いた京都所司代の次期候補・松倉は、町で偶然お里の顔を見かけて十年前の己が悪事を思い出すのだった。
最近お歌は、主水の幼馴染で瓦版屋の誠三郎に夢中。そんな中、瓦版屋の文蔵が何者かに斬殺される事件が発生する。誠三郎と仲間の矢源太、そして文蔵は、近々行われる貨幣改鋳で私腹を肥やそうとする者たちの密談を聞き、その悪事を告発しようとしていたのだ。
元旦の奉行所 留守居役を買って出た中村主水は、きままな正月を送ろうとするが、痺れ薬が仕込まれた差し入れの酒と料理で昏倒し、かどわかされる。目を覚ました主水は謎の男 市三より1,000両の報酬で、御三家の筆頭家老と堂島のコメ問屋 室田屋利兵衛の暗殺を依頼される。断ろうとする主水であったが断れば、裏の仕事をバラすと脅され、引き受けざるをえなくなる。
必殺シリーズ10周年記念と銘打って、棺桶の錠、知らぬ顔の半兵衛、仕掛の天平などの名立たる殺し屋たちが登場し、各々の殺しのシーンでは過去シリーズで、お馴染みのBGMが挿入されるといった、ファン サービス的な作品である。オランダ商館の一行が江戸に到着したその日、抜け荷検めの船手同心が殺され、また、江戸で唯一オランダ品を商う大店・江戸屋が襲われて一人残らず惨殺された。いずれも人間の仕業とは思われない酷い手口であった。程なくして仕事人・伊八が元締・鹿蔵の許へ、病気の妻のために鹿蔵が工面してくれた金を返しに現れる。まとまった金が手に入ったと言う伊八を鹿蔵は江戸屋の件で疑うが、伊八は仕事の仔細を鹿蔵に打ち明け釈明する。
生命保険会社「昭和生命」の訪問勧誘員・中村主水(藤田まこと)、手作りアクセサリーを路上で売る青年・村上秀夫(三田村邦彦)、ピアノ調律師・山田勇次(中条きよし)、個人タクシー運転手・長谷川加代(鮎川いずみ)の4人は、ごく普通のカラオケ仲間。しかし、彼らの先祖は、それぞれ仕事人として暗躍した中村主水、飾り職人の秀、三味線屋の勇次、何でも屋の加代であった。ある日の夜、カラオケ店に居合わせた悪人と争いになり、四人は袋叩きにあうが、衝動的に先祖同様、4人で組んで、殺しを行おうとする。
香港に住む劉孟春は日本人を母に持つ清国(現在の中国)の貿易商の娘。平和な日々を送っていたが英国と清国の悪徳貿易商人との癒着のアヘン密輸事件に巻き込まれる。父母を殺され、自身も失明した孟春は、母の遺言を受けて晴らせぬ恨みを晴らしてくれる仕事人を求めて来日する。彼女を追ってアヘン密輸商の面々も日本に向かう。孟春は清国の舞芸団(自称で実際は日本人)に身を隠していたがアヘン密輸商の武装団に発見されてしまう。偶々、舞台鑑賞に来ていた秀(三田村邦彦)に助けられ、自分が仕事人であることを伏せて依頼の筋を孟春から聞く。
下総(現在の千葉県)に巣食うヤクザの抗争に巻き込まれた百姓一家のお松(樹木希林)は母を殺され娘お鹿と共に仕事人に頼んで恨みを晴らそうと江戸にやって来る。この親子と縁があったおりく(山田五十鈴)は、主水(藤田まこと)と加代(鮎川いずみ)に助勢を求める。様子を覗っていた組紐屋の竜(京本政樹)、花屋の政(村上弘明)は主水達に猜疑心を持っていたが今回のみチームを組むことを承諾。しかし、依頼人であるお松一家はお鹿、夫、息子も全てヤクザの親分である笹川の繁蔵の刺客により殺されてしまう。
元禄14年(1701年)、江戸城・松之大廊下で起きた刃傷事件は、吉良上野介にお咎めなし、浅野内匠頭は即日切腹と決した。これにより処罰が喧嘩両成敗とは相成らず、浅野家急進派らによる吉良上野介への仇討ちが、江戸城内外で噂された。ことの成り行きを見守る市井の人々の中に、主水(藤田まこと)ら仕事人たちもいた。
時は幕末、日本はアメリカの圧力で開国し、領事館を置いた。そして、総領事・ハリスを慰労する目的で日米対抗ベースボール大会が開催されることが決定する。中村主水(藤田まこと)は、その大会の日本側監督として選ばれ、参加する選手を募る。一方、アメリカとの自由貿易開始による損失を恐れた御用商人達は、加代(鮎川いずみ)率いる仕事人「絵日傘」の一味を雇い、ハリスの暗殺を依頼する。
撮影中の藤田まことが事故で気絶している中、彼の夢の中で展開される物語/必殺スペシャル撮影中、藤田まことが屋根から転落し気が付くと本当の江戸時代にいた。そして藤田まことは本物の中村主水になっていた。地上げに絡む悪徳商人や役人を「必殺」する。
悪行の限りを尽くし私腹を肥やす悪僧・清海(綿引勝彦)。「親が死んだら貸した金を倍にして返す」という借用書を書かせ、その後配下の僧を向かわせ親を殺すという、悪辣非道の手段をも使っていた。神事である競べ馬(くらべうま)も賭け事にして大金を手にした清海だが、清海の仲間である依頼人に頼まれた主水(藤田まこと)ら仕事人グループが立ち上がる。
新年、上野東照宮を訪れた大奥年寄の春日野に甲賀忍者が襲いかかる。しかし、大半は春日野が連れてきた根来流忍者(雑賀衆)に返り討ちにされ、警備に借り出されていた中村主水(藤田まこと)も、そのうちの1人を斬り伏せる。死に際、彼は裏切られたという言葉を主水に残す。
京都所司代に出向中の北町奉行所同心・片山は、京都御所の改修工事にまつわる不正を暴き、幕府に直訴するため江戸に戻るが、何者かに襲われる。政(村上弘明)は彼を助けるが、結局は彼と彼の妻も殺害されてしまう。片山の無念を酌んだ政は、加代(鮎川いずみ)と共に京へと向かう。一方、中村主水(藤田まこと)も京都所司代への出張が決まり、上司・田中と江戸を発つ。
次期大老職を巡って老中の脇坂常陸守と石倉甲斐守は政治抗争を続けていた。石倉は金を使って他の老中や御三家といった有力者に根回しを行い、清廉な脇坂は石倉の不正を暴くべく奮闘していた。その頃、中村主水(藤田まこと)は佐渡の役人時代の初恋の女性・佐和(池内淳子)と再会する。2人は相思相愛の仲であったものの、彼女は奉行の娘であり、身分違いから別れた過去があった。
幕末、動乱の時代。攘夷浪士の乱行など荒れる世情から闇の会が解散し、仕事人達は仕事を失う。さらに主水(藤田まこと)は浪士隊の長・清河八郎(滝田栄)の内偵のため、表向き奉行所をクビになり浪士隊に入る。そこで清河は主水を気に入り、彼に極秘の仕事を与える。それは横浜の外国人商人の屋敷、通称モリソン館からペーパー(書類)を盗み出すというものであった。
中村主水(藤田まこと)は風呂屋でくつろいでいる際に十手を盗まれるという失態をおかす。天文台の警護をしつつ、十手を盗んだ犯人を捜す主水であったが、盗んだ十手を悪用していた犯人は何者かに殺害され、十手は見つからない。結局、十手を紛失したことが上司の鬼塚にばれ、閉門蟄居を命じられてしまう。一方、闇の会では、オランダ商館医・シーボルトが標的として競りにかけられる。
時は天保年間。老中・水野忠邦によって天保の改革が断行され、その腹心である鳥居耀蔵、通称「蝮の耀蔵」が南町奉行の任に就く。切れ者の鳥居は、倹約令などの徹底的な施行を厳命し、執拗な仕事人狩りを始める。そんな中、「闇の会」の依頼を競り落とした加代(鮎川いずみ)は仲間を集めようとするが、主水(藤田まこと)は鳥居の怖さを理由に断り、鶴(笑福亭鶴瓶)も別の大口の仕事を理由に断る。
主水(藤田まこと)と秀(三田村邦彦)は長崎で、混血女性セシリアからマカオの独裁者ディアロの殺しを依頼される。主水がマカオまで向かうことを躊躇しているうちに敵の来襲を受け、セシリアは連れ去られてしまった。そして150年後、主水の子孫・中村誠は、香港・マカオ3泊4日のパックツアーで、本業の添乗員をしていた。ツアー客の中には“せん”と“りつ”の他に、秀の子孫・田村秀夫も参加していた。ツアー中の誠・秀夫は謎の女性によって教会に導かれ、意識がタイムスリップしてしまう。タイムスリップ先は150年前のマカオだった。
初詣の帰り、"せん"と"りつ"が誘拐され、中村主水(藤田まこと)の元に老中・脇坂美濃守の殺害を命じる脅迫状が届く。一方、主水と旧知の仕事人である丑寅の辰(山城新伍)は、老中・綾部越中守が若い男女3人組の仕事人達に襲われている場面に出くわす。綾部は難を逃れるが、この話を聞いた主水は脇坂と綾部を狙う人物は同一と考え、お涼や辰の手を借りて黒幕を調べ始める。
必殺シリーズのスペシャルドラマで、前作『必殺仕事人2016』の続編。また『必殺仕事人2007』からのシリーズ復活10周年作品である。放送時期が早い段階で決まらなかったことから、タイトルに西暦表記がない。