夜の高級料亭で、アンドロイド芸者が外務大臣一行を人質に立て籠もる事件が発生。公安9課・草薙素子率いる攻殻機動隊の制圧で、無事外務大臣の救出に成功する。だが事件の背後には、軍の機密情報・一ノ瀬レポートを巡る陰謀が渦巻いていた─。
剣菱重工の最新型多脚戦車が突然暴走し始めた。演習場を後に、ある方向を目指してひた走る。テロともAIの故障とも判別できないまま出動する公安9課。やがて事件は意外な展開を見せ始める!
各地で旧式のアンドロイド・ジェリが一斉に自殺する事件が発生した。原因はウィルス感染だったが、ただ一体だけ、ウィルスから守られたジェリがある男と逃亡していた。
6年前に起きた企業テロ。“笑い男事件”を追っていた特捜部の山口は、不穏な秘密を知った直後、自動車事故で死亡した。事故の直前に山口からいわくありげな写真を渡されていたトグサは、警察内部で不正使用されている盗視覚デバイスの存在に気付く。その事件の中で、“笑い男”が再び見えない姿を現した!
インターセプター不正疑惑会見で起こった<笑い男出現事件>。荒巻は、警察自演の騒ぎではないかと疑念を抱く。<笑い男>最重要参考人・ナナオを張り込む公安9課。一方、草薙は単独で6年前の<笑い男事件>を洗い直し、警視総監の護衛を申し出た。
警視総監暗殺予告当日の会場では、SPの一人がナナオの仕組んだ遅効性ウィルスにより発症。だがウィルスとは無関係の暴走も連発し、混乱は加速する。<自称犯人>たちであふれ返す警察取調室。騒動のさなか、荒巻と草薙はある場所へと向かうのだった─。
幾度もの暗殺計画を奇跡的にくぐり抜けた南米某国の国民的英雄・マルセロ。その男がたびたび極秘裏に来日しているとの情報を受け、9課の調査が始まった。やがてマルセロと暴力団組織との関係が露呈し、ついに来日の目的が明らかに─!
移植手術を受けた少女の心臓が、提供者の承諾を得ていないものであることが判明。組織的な臓器密売の可能性から、9課が捜査に乗り出した。少女と同じ年頃に全身を義体化した草薙が事件に特別な感情を抱く中、意外な実行犯の姿が浮かび上がる─!
ネットマスター・オンバの主宰する<ラッフィングマンルーム>では、笑い男事件をめぐってJ・D、ぐるぐる、カナビ、ベビールース、クロマらがチャットに参加し、推理を展開していた。果たして彼らは真実にたどり着けるのか─。
女性が生皮を剥がされて殺害されるという残忍な事件が連続して発生。その犯行スタイルから、バトーは過去の出来事を思い起こさずにはいられなかった。事件の背後にちらつく、ある極秘計画の影。そして事件の結末は─。
電脳閉殻症患者の授産施設から厚生労働省にハッキングが仕掛けられた。犯行の常人離れした手際のよさ、厚生労働省の不自然な反応などから、荒巻はトグサに施設の潜入捜査を命じる。そこでトグサが目にした異常な光景とは─!
天然オイルを入れられていたタチコマ1機が、突如起動。繰り出した街で犬を探す少女と出会う。タチコマは少女を手伝うことになるが…。その道中でタチコマが拾い持ち帰った<防壁のない電脳>が、9課に騒ぎをもたらすことになる。
テロリスト集団<興国の旅団>に誘拐され、消息不明だった少女エカ。<興国の旅団>が潜む海上プラント内で連絡の途絶えた海上保安庁の先遣隊。謎を秘めたプラントを目指し、9課の捜査が始まった。
大富豪の個人投資家・横瀬を狙う、中国から来た殺し屋フェム。9課は情報を得て、横瀬の身辺を固めるべく行動を開始する。だが横瀬については自宅の豪邸の場所以外、謎に包まれている。9課は暗殺を阻止できるか、そして横瀬の正体とは?
タチコマたちは、草薙の態度を不審に思い、近く何らかの処分があるのではと議論を巡らせる。AIにとっての生と死の概念、ゴースト、神、そして自分たちの存在意義。彼らは自分たちの身を守る方法として、ある行動に出るのだが─。
海自への潜入捜査でスパイ容疑者ザイツェフに近づくバトー。ザイツェフは、かつては「義体の隙をつく」と表現される独特の技で一世を風靡した格闘家だった。バトーはかつて憧れていた人物との、任務を越えた決着をつける。
ロンドンでの国際テロ対策協議を終えた荒巻と草薙。荒巻は単身、昔なじみの勤める銀行に向かうが、そこで思わぬ事件に巻き込まれる。荒巻が画策する危機脱出計画、荒巻の行動を予測しながら救出を図る草薙。そして事件の行方は!?
荒巻はかつての同僚の娘から、様子のおかしい弟のことを調べて欲しいと頼まれたが、私的な理由で仕事はできないと断る。一方、中国外務次官の暗殺が計画されているという極秘情報を掴む9課。その犯人として浮上したのは、依頼を受けた娘の弟だった―。
神崎元首相の娘、玲子が突然失踪。9課は北方マフィアによる集団拉致の可能性を疑う。だが集団拉致を否定してきた神崎の娘が誘拐されたのはなぜか?犯人の意図が読めない綱渡りの捜査の中、主犯はロシアの対外情報局の元女工作員・クルツコワと判明した―。
過去の事件の腑に落ちない点を足がかりに、笑い男事件の真相を独自に推理するトグサ。厚生労働省の資料捜査にあたる中、<村井ワクチン接種者リスト>が紛失していることに気づく。そして向かったNPO<ひまわりの会>で、絶体絶命の危機に陥る!
<笑い男事件>の真相を知ると思われる今来栖尚を確保すべく、全力を挙げる9課。麻薬取締局強制介入班と激しい戦闘を演じる中、立ちはだかるアームスーツを前にした草薙は、自ら囮となる―。
消息の知れなかった実の兄が生きていたとの報を受け、罠とも知らず単身招慰難民居住区へと向かう荒巻。一方で義体換装中の草薙にも忍び寄る、強制介入班残党の魔の手。そんな草薙の窮地に現れたのは、あの<笑い男>だった。
<笑い男事件>とその黒幕・薬島幹事長とを結びつける最後の線、セラノゲノミクス。9課が動き出した矢先、青いフードをかぶった人物が瀬良野社長宅を訪れる。<笑い男事件>の発端となった6年前の誘拐事件が、今まさに再現されようとしていた。
薬島幹事長を逮捕するため総理と掛け合う荒巻。だが、既に9課壊滅のシナリオが動き出した後だった。特殊部隊規制法案の施行、そして本部の武力制圧。草薙は9課の「解散」を宣言し、それぞれに逃走・潜伏することを命じるのであった。
捕らえられていく9課のメンバーを救うため、奔走する荒巻。草薙のセーフハウスで、追っ手の待ち伏せにあうバトー。そして、窮地を救うために駆けつめるタチコマ達。多大な犠牲を払いつつも、草薙と共に脱出を図ろうとした、まさにそのとき―。
薬島幹事長逮捕の知らせを受け、義憤の念に駆られるトグサ。自分たちが信じてきた正義とは、いったい何だったのか。それを確かめるかのように、トグサは銃をポケットに放り込み、検察や報道陣であふれかえる与党本部に向かうのだった。 (最終話)
「個別の11人」と名乗る武装グループによって中国大使館が占拠された。密かに出動していた公安9課の面々は無期限待機命令の解除を待つ。総理は、犠牲者を出さず15分以内にテロリストを鎮圧することを条件に、突入を許可するが──。
3大ネットワークJBNNの会長・片倉の専属パイロットを務めるギノ。欺瞞と不正に満ち溢れた世の中から、憧れの高級娼婦ヒララを救い出したい。義憤に燃えるギノは、彼らに正義の鉄槌を下すべく行動を開始する!
政財界の名士である田所会長のもとに、窃盗犯から予告状が届いた。9課は芽葺首相の命により、田所主催のパーティを警備することになる。だが、窃盗犯の正体は草薙だった! 9課の本当の狙いは何処にあるのか!!
合同演習中にAIヘリが暴走。誘われるように各地で無人のヘリが動き出し、集結し始めた。そして、対応を迫られる9課の前に忽然と現れた内閣情報庁のゴーダ。彼の真意も図れぬまま、草薙らはタチコマで出撃するが──。
「個別の11人」から茅葺首相に暗殺予告文が届いた。9課は警護につくが、参禅に乗じて暗殺は実行にうつされる。茅葺に迫る全身義体の男・クゼ。はたして草薙は阻止できるのか!
エネルギー省を脅迫していた男が、不可解な死を遂げた。トグサは彼の足跡をたどるべく、招慰難民居住区「東京」に向かう。だがそこでは、あるべきはずもないものが、地下最深部から呼び起こされようとしていた。
新宿地下原発から燃料棒の海路移送計画が「個別の11人」に漏洩した。ゴーダの指揮のもと、9課は移送任務を請け負うが、経由する陸路は不穏な空気が漂う難民居住区だった。
「個別の11人」容疑者カワシマの身柄確保に奔走する9課。だが、虚構であったとしても現実へと変換されれば、それは真となる──。彼は本当に「個別の11人」なのか、それとも別の目的を持った偽者なのか!?
生きることに希望を見だせない人々がその身をやつす「自爆テロ」。そして、それを阻止するため奔走する9課。一方、単独で内閣情報庁に潜入した草薙は、そこでゴーダの仮想人格と対峙するが──。
非番中にやむなく発砲してしまったトグサは、単なる証人から「不幸な事故」の引き金に仕立て上げられる。証言台に立つ彼の前で、理不尽な追求が9課にまでその矛先をのばそうとした時、事態は思わぬ展開を見せた!
虚実定まらぬ街で誘われた、記憶を預かるという『牢記物店』。草薙は、そこで主無き少年少女の義体とめぐり会う。物言わぬ彼らにかつて訪れた物語とは──。
虚ろなる真に導き寄せられる「個別の11人」。そして、組み上がった因子を解き明かしはじめる9課。だが、さらなる具現を阻むべく行動を起こしたその時、すべてを暗転させる「刃」が抜かれた!!
クゼの顔を追って、9課は造顔作家へとそのコマを進めた。だが、カメラの映し出したパズの凶行が、捜査の動きを鈍らせる。これも「クゼ」の仕業なのか、それとも──。
米帝特使を迎え厳戒態勢が敷かれる中、待機中の隊員等はポーカーに興じていた。そこで、一人勝ちを続けていたサイトーは、左眼にまつわるポーカーフェイスを語りはじめるのだが──。
「この人どこかで見たことがあるんですよね…」研究所の爆破事故後の捜査中に、奇妙な既視感を感じるタチコマ。所在不明の有須田博士と、自分達の主体について疑問を持つ彼らとをつなげるものとは──。
国連平和維持軍としての戦い、任務を終えてからの葛藤──。イシカワの持ち帰ったクゼの過去、それは9課にとっても草薙にとっても不可解なものであった。一方、国内情勢の悪化は日米安保締結に拍車をかけていた…。
クゼの足取りを追い台湾へ潜入した草薙は、そこで少年・チャイと出会う。行動を共にし始めた二人の関係は、時には友人、時には親子、そして時には恋人──わき起こる奇妙な感覚に母性を励起させ、彼女は行動を開始する!
当局が追っている正体不明のテロリストは『天使の羽根』と呼ばれていた。大規模な包囲網が街を覆う中、ある少女の存在がバトーの脳裏をよぎる。そして、彼女の秘密に突き当たったとき、天使は再び舞い降りた──。
並列化した招慰難民達の行動は、自治区宣言へと拡大した。これに対し草薙は、クゼを確保すべくハブ電脳へとダイブする。だが、潜伏場所を急襲した9課を予想し得ない事態が待ち受けていた!
北端、択捉──そこは、旧型の電脳都市にして混沌の坩堝。断片的な情報を元にクゼの目的を想定し9課は旧ロシアの原潜基地跡へと向かう。しかし、そこでは既に難民等とアームスーツが戦いを始めていた!
クゼと9課との間にある、わずかな動機の差。それは彼に包囲網を突破させ、出島へと辿りつかせる。だが人々の前に広がった光景は、第三者による意志の介在を予見させるのだった。
「個別の11人」最期の場所である九州電波塔に、プルトニウム爆弾が仕掛けられた。解体処理のため無人と化し静寂につつまれる街中を、バトーは一人ゴーダのもとへと赴く。クゼが自決をしなかったその場所で、二人はなにを語ろうというのか──。
戦わずとも勝負は決するはずだった招慰難民と自衛軍。しかし、水が低きに流れるように、人の心もまた易きに流れる。一発の銃声が状況を急変させ、事態は混迷の度を深めていく。
制空権をおさえられ潰走する招慰難民達。ゴーダの策略がさらなる展開を見せる中、9課は出島へと突入する。一方で、クゼは人々をハブ電脳に繋ぎ止めるべく、次の手に出ようとしていた──。
クゼと邂逅を果たす草薙、そして茅葺の救出に成功する荒巻──事態は収束に向かうかと思われた。だが、タチコマが掴んだ情報は、9課の動きが未だにゴーダの予想の範疇を出ていないことを示していた。
この終焉は、通過点の一つであり、又始まりでもあるのだろう。自らを賭して攻撃を阻止したタチコマ。革命の行く末を見極めることなく逝くクゼ。ゴーダとの因縁を精算する9課。そして──。