イギリス統治下の香港で“東洋の魔窟”と恐れられた場所があった。入ったら命はないと言われた九龍城砦(じょうさい)だ。狭い土地に違法建築が密集し、数万人が住み着いた巨大スラム。賭博、麻薬、売春…マフィアの根城でもあった。一方、内部では自治が保たれ、医療や福祉も充実。人情あふれる場所でもあったという。そこは忌まわしきスラムか?自由な楽園か?イギリスと中国のはざまに出現した無法地帯の驚くべき実態に迫る。