目覚めた時、切那には記憶がなかった。そこは時の流れに取り残された島・浦島。会う者誰もが謎めいている中、夜の海辺で出会った少女の歌声に切那はハッとする。そして不意にその名を口にしていた。「りんね……?」
凛音が口にした衝撃の言葉。その謎を解くため、切那は『バイモン病』について調べようとする。その風土病は島を閉ざし、凛音や夏蓮、紗羅たちの運命を翻弄していた。だが凛音の母・玖音から意外な事実を知らされる。
凛音をあの手この手で昼の海に誘い出す切那。楽しいひとときが一変したのは、秘密の廃屋を凛音が見た瞬間からだった。以降、凛音は過去から目を逸らそうとするが、逆に夏蓮は過去と向き合うため大いなる決断していた。
夏蓮が望んだとはいえ、とんでもないことをしてしまった切那。夏蓮とともに逃げるように本土に渡り、向かったのは夏蓮の母親の元だった。切那が見守る中、夏蓮が流した涙の意味とは。そして紗羅にも何かが迫っていた。
「私には時間がない」と焦る紗羅。『切那が時を越えた秘密』を知り、切那を自分の運命の人と推測する彼女に対し、凛音は暗黒の真実を突き付けた。血塗られた歴史に終止符を打つべく、紅蓮の炎が闇の天空を焼き尽くす。
夏蓮と紗羅の闇は晴れた。「今度は私の切那になって」と凛音がベッドで呟く。そして訪れる、切那との至福の時。覚悟を決めた凛音は、過去に別れを告げて明日へ歩み出す決意をする。だが玖音だけは複雑な表情だった。
過去を断ち切ったはずの二人。だが凛音を襲う、拭い去れない忌まわしき記憶。一方切那も新たな衝撃の真実に遭遇する。事態は急転、嵐の訪れとともに真実の扉が開かれると信じた凛音は一人、荒れ狂う夜の海へと消えた。
目覚めると、二人は5年前と同じ青空の下にいた。かつて凛音が真の切那と過ごし、永遠の別れを迎えた幻の島。真の切那と再会し全てに決着をつけられると喜んだ凛音だが、待ち受けていたのはさらなる謎と涙と闇だった。
氷に閉ざされた『アイランド』と呼ばれる地下シェルター内の街で、切那はリンネという少女と出会い、不思議な発明を手伝っていた。地球を救うための発明らしいが、真偽は不明。そして、街は確実に終末へと向かっていた。
希望の見えない街で、切那は未来を開こうと立ち上がる。だが次々と押し寄せる悲運。そんな中、リンネの発明が完成し、切那が人類の存亡をかけて未来へ向かうことに。その直前、切那はリンネを抱き、ある約束を交わす。
切那が目覚めると、あの夏と同じ砂浜だった。そしてすべての出来事があの時と同じように進んでいく。その中で、切那はたったひとつの出来事を変えるため、その瞬間へと突き進む。だが待ち受けていたのは衝撃的な真実だった。
リンネと凛音・・・二人の少女をめぐる真実が明らかになり、切那は一つの決断をする。それがみんなをえがおにできるのか? 大いなる謎が解けたその果てには、新たな未来がまっていた。もう迷わない。永遠のフィナーレだ。