明治の秀才青年・山極勝三郎は医学、特に病の原因をつきとめ治療に生かす「病理学」を生涯の仕事と定めます。3年のドイツ留学で最新の病理学を学んだ山極は帰国後、当時あまり知られていなかったある病の恐るべき脅威に気づきます。その病とは「がん」――。