吉村弘(玉木宏)は、和賀英良(佐々木蔵之介)が発表した新作・交響曲『永遠』を聴き、前作『寂滅』とのあまりの違いに、和賀に何かが起こり、それは三木謙一(橋爪功)殺しに関係していると直感する。今西栄太郎(小林薫)たち先輩刑事は吉村の見解に理解を示すが、それだけで捜査が進展するわけもなく…。時を同じく、三木が殺された直後、羽後亀田に現れた不審な男と同一人物と思われた宮田邦郎(山口馬木也)が殺されたことは、事件解決をまた一歩遅らせる痛手となった。
ところが、その宮田殺しの重要参考人として、和賀と同じヌーボー・グループの関川重雄(長谷川博己)が、突如浮上する。調べると、関川は秋田出身であることが判明。さらに、関川と親しかったホステスの三浦恵美子(紺野まひる)まで、宮田の遺体発見場所からほど近いアパートで死産の上、失血死を遂げ、関川への疑いは一気に深まる。
そんな中、吉村は三木が東京に来た経緯を掴むため伊勢へと向かう。伊勢での三木は、二日続けて同じ映画館に足を運ぶという奇妙な行動を取っていた。そしてその直後に、東京行きを決めたらしい。映画の中に、三木を東京に駆り立てた何かが映っていたということか…。
同じころ今西は、三木が島根の亀嵩駐在所に勤めていたときに、遍路の父子と深く関わっていたとの情報を得ていた。長旅で弱っていた父親は病院へ、息子は三木とともに暮らし始めるが数カ月で姿を消し、そのまま行方知れずだという。子どもの名前は本浦秀夫。今西は秀夫と和賀を重ね合わせてみる。しかし、二人にはまったく別の戸籍が存在していた。