江戸の大川端にある小さな旅籠(はたご)「かわせみ」を営む女主人・るい(真野響子)と、その恋人で与力の弟・東吾(小野寺昭)が、仲間たちとともに江戸の町に起こる難事件を解決していく人情捕物帳。近ごろ、大店のちいさな子どもがさらわれる事件が続けて起こっていた。「かわせみ」の番頭・嘉助(花沢徳衛)の孫娘もさらわれ、るいや東吾、行方の知れない姉を探すひろ(安奈淳)たちは、救出のために一計を案じる。
神社の長い石段を妻(奈良岡朋子)が体の悪い夫(下元勉)をいたわりながらゆっくりと登っていく。東吾(小野寺昭)が、自分が見たその夫婦のことをるい(真野響子)に語り、るいは夫婦愛をうらやむ。そのふたりにどんな真実が隠されているかを知らずに…。「かわせみ」に泊まる喜一郎(森田順平)という侍と、くみ(吉沢京子)という女中を不審に思う東吾。喜一郎はかたき討ちを計画しているのではないかと思われた。
神社の長い石段を妻(奈良岡朋子)が体の悪い夫(下元勉)をいたわりながらゆっくりと登っていく。東吾(小野寺昭)が、自分が見たその夫婦のことをるい(真野響子)に語り、るいは夫婦愛をうらやむ。そのふたりにどんな真実が隠されているかを知らずに…。「かわせみ」に泊まる喜一郎(森田順平)という侍と、くみ(吉沢京子)という女中を不審に思う東吾。喜一郎はかたき討ちを計画しているのではないかと思われた。
るい(真野響子)と東吾(小野寺昭)は、「かわせみ」に逗留する多田屋吉右衛門(千秋実)の寂しげな姿に目を止める。多田屋吉右衛門は木の枝に咲く桐の花を見つめていた。二十五年前、彼は四歳だった娘・およしの行方を、桐の木の下で見失ってしまった。およしの面影が彼の心を去ることはなかった。ある日、神社の境内で死体が見つかり、それをきっかけに大人になったおよし(萩尾みどり)の運命がひもとかれて…
ある日、東吾(小野寺昭)が「かわせみ」にひとりの女性を連れてきて、るい(真野響子)たちに「この人と話がある」と告げ、ふたりきりで部屋にこもる。るいは気が気でない。女は札差・大和屋の女将のおすず(山口美也子)とわかり、東吾との接点も明らかになるが、おすずは王子の滝近くの神社で殺される。東吾はおすずの妹・お絹(高沢順子)と弥三郎(尾藤イサオ)から大和屋について聞き、不穏な金の流れが浮かび上がる。
雨の夜、幼い女の子をつれた男女が「かわせみ」の戸をたたく。どこか怪しげなものを感じる嘉助(花沢徳衛)たちは泊めることをためらうが、るい(真野響子)は受け入れる。東吾(小野寺昭)の兄・通之進(田村高廣)と香苗(河内桃子)にまだ子どもがいないことから、麻生源左衛門(下條正巳)は香苗の妹・七重(長谷直美)と東吾を近づけようとする。そして、女の子を「かわせみ」に残し、男女が姿を消した。
暑い夏の夜、戸外で闇に身をひそめ体を寄せあう男女が殺される事件が、連続して起きた。るい(真野響子)も東吾(小野寺昭)も気味悪がり、用心に努めようとする。屋台で商売をするおたよ(佐藤万理)という若い娘の、事件に関する証言が東吾の関心を引く。捜査の結果、下手人は槍を使って殺したという見立てがなされる。体の悪い姉と暮らすおたよの証言をたどるうちに、事件は思いがけない展開を見せて…
「かわせみ」が開業五年目を迎える夏。毎年、七夕の夜に「かわせみ」に泊まる年の離れた男女がいる。るい(真野響子)は今年もふたりの部屋を用意していた。東吾(小野寺昭)は、酒問屋の三好屋では若い新兵衛(堀光昭)が店の主人で、番頭の宗七(中井啓輔)が実際の経営を担っていると知る。宗七は、よからぬ男に金を握らせてもいた。そして三好屋では、かつて新兵衛の母・お柳(南田洋子)がある事情で出ていったという。
ある夜、「かわせみ」に長七(ハナ肇)とお糸(坂上味和)の親子が一夜の宿を求め、るい(真野響子)は部屋を提供する。長七は足を怪我していて、どうやら刀傷らしい。時を同じくして、あちこちで旅籠が襲われ、人が命を落とす事件が連続して起きていた。東吾(小野寺昭)たちの調べで、旅籠を襲った連中は川船も襲っているらしいことがわかり、さらに、最近足抜けをしようとした者がその中にいることも明らかになる。
東吾(小野寺昭)が不意の夕立に軒の下で雨宿りをしていると、部屋の中から、男が女に金を無心する声が聞こえてくる。嘉助(花沢徳衛)の娘・お民(日色ともゑ)が東吾を訪ね、「おかち(范文雀)という幼なじみが市之助(松橋登)という男に入れあげ、金という金を、弟のような与吉(新井康弘)の稼ぎまでも、市之助に貢いでしまっている。何とかできないか」と言う。るい(真野響子)も心配が頭をもたげて…。
茶屋・井筒屋の女主人のお節(板倉加代子)が殺された。東吾(小野寺昭)は捜査を進めるが、お節が死んでもっとも得をするのが誰なのか、詰め切れずにいた。そんなさなか、船宿・松井屋の女主人のお峯(沢柳迪子)も殺される。二つの殺しの手口はいずれも共通していた。雨の日に「かわせみ」に眉目秀麗な侍・伊勢左門(堀内正美)があらわれ、さらに両替商の女主人も殺され、るい(真野響子)にも危険が及ぶ。一連の事件の真相は?
山茶花が咲き、東吾(小野寺昭)はるい(真野響子)の誕生日が近いことを思う。廻船問屋・万石屋の主人から、強盗が店に入り、数千両もの金を盗まれたと聞く東吾。犯人たちは捕まり、島に流罪になったが、金がどこに隠されているかはわからず、さらに、犯人たちは島を脱け出したという。犯人を特定する証言をしたおきみ(岡本舞)を守ろうと、東吾とるいはおきみを「かわせみ」にかくまうが…。
東吾(小野寺昭)はある日、山中を歩いて、美しく謎めいた女性とそのお供の者たちと出会う。名前も素性もわからない女性だが、その人に心うばわれた東吾のことが、るい(真野響子)は面白くない。ある旅籠が火事で焼けたため、そこに泊まっていた客を「かわせみ」で引き受けることになるが、その客が、あの山中で出会った女性、おすが(三林京子)だった。おすがは、夜中にさまよい歩く奇妙な行動をした。
るい(真野響子)が通之進(田村高廣)と香苗(河内桃子)を訪ねると、東吾(小野寺昭)も交えて、源三郎(山口崇)の縁談の話でもちきりだった。材木商の娘・おとよ(小野みゆき)が源三郎に恋して、橋のたもとで源三郎が通るのを毎日待ちわびているという。みなは源三郎をけしかけるが、源三郎は困惑し、日野屋(金田龍之介)は源三郎の相手は自分が見つけると主張する。そのころ、人殺しもためらわないすりが頻発していた。
夜更けに「かわせみ」を訪れる女の客があった。真夜中に宿を求める客のことを嘉助(花沢徳衛)たちは不審に思うが、るい(真野響子)は上がるように促す。その客・千代菊(角替和枝)には、顔を隠した男の連れがあった。深夜にふたりは宿を逃げ出す。そのころ、夜の町のあちこちで役人と商人の会合が行われていた。貨幣の改鋳をめぐっての談合らしい。あの二人連れはその不正に絡んでいたと、東吾(小野寺昭)は見抜く。
「かわせみ」の客・喜兵衛(織本順吉)とお才(八木昌子)の部屋から五十両が消える。その金は喜兵衛の娘の結納金で、破談になったので先方に返すため持ってきていた。客の佐吉(河原崎建三)の荷物から五十両が見つかり、佐吉は無実を訴えるが投獄される。しかし喜兵衛は、佐吉を犯人と思えないと言う。東吾(小野寺昭)とるい(真野響子)は佐吉の請負人・仙八(小澤栄太郎)に会うが、仙八は佐吉の無実を信じると言う。
橋の上で芸者の鶴次(根岸季衣)が賭けをして川に飛び込もうとしていた。その橋を見上げる船の上、扇屋の主・籐左衛門(照内敏晴)が、鶴次が飛び込んだ直後に倒れる。毒を塗った吹き矢が首に刺さったのだ。鶴次に疑いがかかり、鶴次の芸者仲間・千代吉(結城しのぶ)にも話を聞くが、決め手に至らない。見守るしかないるい(真野響子)だが、東吾(小野寺昭)と源三郎(山口崇)は調べを進め、千代吉の過去が明らかになっていく。
「かわせみ」で改修工事が始まり、るい(真野響子)、嘉助(花沢徳衛)、お吉(結城美栄子)はそのあいだ箱根に旅に出かける。箱根には、お吉の母・お貞(鈴木光枝)、嘉助の知人の治助(伴淳三郎)、その娘のお信(蝦名由紀子)が暮らし、なつかしい再会となる。一方、罪人たちが流罪となった島を脱出し、かつて自分たちを捕まえた治助への仕返しに向かう。東吾(小野寺昭)も箱根にかけつけ、決戦の時が来る。
結婚したばかりの醤油問屋の丸藤の娘・おたよ(若月純子)と元手代・清吉(西川明)が、「かわせみ」に泊まる。るい(真野響子)はほほえましく二人を迎えるが、芸者の紋次(三浦真弓)が部屋に押し入り清吉に斬りかかる。大事は逃れたが、清吉にも問題があるようだった。おたよにはかつて新次郎(矢野勇生)、清吉にもお七(橋本晶子)という恋人がいたが、どちらも死んでいた。東吾(小野寺昭)は隠された真実に迫る。
川沿いで男に襲われる女がいた。男は逃げ、東吾(小野寺昭)はその女を「かわせみ」に連れ帰る。飼っていた鴉(からす)の行方を心配する女はお絹(木村理恵)といい、鴉使いの彦三(平沢公太郎)の娘だった。彦三は実力者の文七(南原宏治)から娘を愛人によこせと言われ、それを拒んで殺された。お絹を襲ったのも文七の手下だった。犯行を立証すべく、東吾は花魁・染蝶(佳那晃子)に会う。そしてるい(真野響子)にも危険が…
江戸では強盗殺人が続けて起こっていた。るい(真野響子)はお民(日色ともゑ)から、娘のお三代(川島千恵)が和世(金沢碧)に習字を習っていると聞く。るいは、かつて琴をともに弾いた和世のことを思い出し、懐かしさがこみ上げる。和世の兄・兵馬(寺田農)は、もめごとを起こして江戸を出ていっていた。そして連続する強盗殺人の刀使いの見事さは、兵馬の剣を思わせると東吾(小野寺昭)は感じていた。
るい(真野響子)と東吾(小野寺昭)が祭りに出かけた夜、すりの市介(谷崎弘一)が盗品の財布を、東吾の懐に投げ入れた。仲間の松吉(高橋長英)と間違えたのだ。財布には三河屋の幸吉(佐久間宏則)の身代金の要求書が入っていた。幸吉は金を得ようとして自らの偽装誘拐を仕組んだのだ。幸吉の実の母・おさん(鳳八千代)が裏で糸を引き、義母・お久仁(片桐夕子)を苦しめる。幸吉から金を取り戻すため、東吾は松吉を使う。
るい(真野響子)は長いつきあいの呉服屋・津田屋を訪れるが、主人の五兵衛(河原崎長一郎)がいないことに気づく。番頭の忠助(芦屋小雁)が後日「かわせみ」にやってくると、実は五兵衛が行方不明であると打ち明ける。高圧的な女主人・おあつ(市原悦子)は、それを公にするなと命じているという。東吾(小野寺昭)は五兵衛がよく出かけていた近郊の山へ調べに出かけ、おこま(二木てるみ)の夫・文治郎の殺害騒ぎを知る。
るい(真野響子)は「かわせみ」に宿を求める千代次(岡まゆみ)を、満室だと嘘を言って断った。東吾(小野寺昭)が理由をきくと、これまで何度か千代次は来ていて、いつも連れの男が違った。そんな商売に部屋は提供できないとるいは言う。東吾は千代次が芸者だと知るが、芸者が個人でそんな商売はできないはずだ。千代次は母・お勝(文野朋子)などとの事情を抱え、木島屋時次郎(岸部一徳)とも難しい問題があった。
ある夜、「かわせみ」にやってきた一組の男女。着くなり女性の陣痛が始まって子どもが生まれる。男は政吉(坂東八十助)という飾り職人で、旅の途中に、お腹の子の父親に会いに江戸へ行く道中のおてい(マキノ佐代子)と道連れになったという。子の父親は深川の材木問屋の正太郎(伊藤高)とわかるが、正太郎には妻がいるという。るい(真野響子)は心配が募る。東吾(小野寺昭)は、正太郎がおていに渡した金が贋金だと気づく。
油売りの山崎屋の新吉(佐藤仁哉)が、店の不穏な状況をるい(真野響子)に話す。主人の彦兵衛(小坂一也)が毒を盛られたり、何者かに川に落とされたりしたのだ。新吉が店に戻ると彦兵衛から、女房のお小夜(岡本舞)が気を失い、番頭の治助(織本順吉)が死んでいると知らされる。東吾(小野寺昭)たちの調べが進み、婿養子で山崎屋に来た彦兵衛の苦しみと、さらに新吉とお小夜の関係が明らかになる。いったい本当の犯人は?
東吾(小野寺昭)は通之進(田村高廣)と松浦方斎(安部徹)から早く身を固めるようにと強く言われるが、るい(真野響子)を悲しませることはできないと思い悩む。料理屋で働くおとし(古舘ゆき)は客の喜太郎(三ツ木清隆)から求婚され、将来を約束するが、おとしの父・金助(小島三児)の酒癖の悪さのために事態は悪化し、ふたりは別れることとなる。おとしは深く悲しみ、ついに金助に刃物を向けるが…。
香苗(河内桃子)はるい(真野響子)に、東吾(小野寺昭)が通之進(田村高廣)から身を固めるよう促されたことを伝える。るいは身を引くと言うが、香苗はるいに寄り添う。源三郎(山口崇)たちは平吉(中西良太)を捕らえに島へ渡りたいが、危険の大きさから踏み込めず、東吾がそれを引き受ける。東吾は平吉の戻りを待つおこの(森下愛子)に自らの正体を隠し近づく。次第にふたりは心を通わせ、花見に行く約束を交わすが…。
東吾(小野寺昭)は刺青のあるすり師のお角(ひし美ゆり子)をつかまえるが、盗品はどこからも出てこず、お角を取り逃がすことに。お角の刺青の話から嘉助(花沢徳衛)はすり師の彦六を連想し、彦六が殺されたこと、彦六に娘がいたことをるい(真野響子)たちに語る。東吾が知り合ったおまさ(神崎愛)にすり師の疑いがもたれ、おまさは「かわせみ」に宿を取る。おまさとお角の関係は何か。そしておまさの、このあとの目的は?
通之進(田村高廣)と東吾(小野寺昭)を集団が襲い、東吾の弟子の伊太郎(尾美としのり)も加わってそれを追い払う。伊太郎の実の父は侍だが、庄屋の夫婦が伊太郎を引き取り育てた。伊太郎は、庄屋を継がずに実の父に奉公をして武士になりたいと望んでいた。大店を集団が襲う。襲撃には店の手代の喜八(頭師佳孝)が関与していた。次の襲撃があるという場所へ向かう東吾と伊太郎を、るい(真野響子)は心配げに見送る。
東吾(小野寺昭)はるい(真野響子)から、狐の嫁入りと呼ばれる不思議な出来事が続けて起きていると聞く。東吾はその現場を調べ、上州屋のおとら(白石奈緒美)と検校の智念(小松方正)、息子の鶴松(古代一平)の悪評を知る。材木屋の木曽萬の万兵衛(佐藤恒治)が智念に借金し、娘のおよね(伊藤美由紀)が鶴松へ嫁がざるを得なくなってしまう。嫁入りの夜、木曽萬に恩のある役者・弓之丞(大谷桂三)とともに東吾は賭けに出た
東吾(小野寺昭)とるい(真野響子)は源三郎(山口崇)から髪結いの和吉(菅野忠彦)が毒殺されたと聞く。和吉は真面目で、家族の暮らしは貧しく、殺された日は「子どもたちに着物を買ってくる」と言って出かけたという。殺された前日、和吉と接触した女性がいたとわかり、和吉がかつて暮らした長屋の吉兵衛(浜村純)の話から、和吉と親しかったおしの(上村香子)が浮かび上がる。和吉とおしのに、その日何があったのか。
東吾(小野寺昭)はるい(真野響子)から、吉野家の十兵衛(稲垣昭三)に会うため吉野から来たおしず(栗田陽子)が「かわせみ」に泊まっていると聞く。おしずは十兵衛と愛人の子で、幼いころだけ吉野で十兵衛と暮らした。十兵衛は現れず、嘉助(花沢徳衛)が吉野家へ行ってみると、息子の源太郎(本田博太郎)が留守中の父の代わりに行くと言い、おしずと会って楽しく過ごす。十兵衛と正妻のおまき(川口敦子)は絶命していた。
香苗(河内桃子)の体調が悪いのを、東吾(小野寺昭)や通之進(田村高廣)は妊娠と受け取る。香苗の妊娠で東吾の結婚の話が進むと予感し、るい(真野響子)は悲しむ。治兵衛(倉地雄平)の妻のお妻(石田純子)が斬殺され、赤ん坊の吉松が連れ去られた。東吾は松浦方斎(安部徹)から磯貝求女(田村亮)を紹介される。幼い正吉(藤田哲也)が町で姿を消す。正吉は町で何かを見て、それを追ったのだ。斬殺事件は続いて…。