王立警察特殊犯罪捜査課(RIS)はある犯罪者を追っていた。凶悪犯罪者ばかりを狙った連続殺人鬼で、現場に“B”の文字を残していくことから、付けられた名前は“Killer B”。ある日、“B”を刻んだ殺人事件が再び発生、現場に駆け付けた捜査官のリリイは一人の男と出会う。無精ひげの中年男、キース・フリック。キースはRISに復帰となる捜査官であった。Killer B捜索中のRISに、軍用戦闘車が街を暴走するという事件発生の一報が届く。
議員一家惨殺事件の現場を調べるRIS。キースは現場に残された“B”の文字を一目見て、偽者による犯行と見抜く。そこへ突然もたらされる新たな死体発見の報告。それは議員一家とは無関係な男性の死体であった。解析の結果、男は新型の毒ガスで殺害されていた。犯人は次に市長主催のパーティーを狙うとの予告を受け、RISも警備に参加することに。そんな厳重警備な会場の中、不敵な笑みを浮かべる男の姿が……。
何かに導かれるようにしてやって来た黒羽は謎の人物イザナミと対峙していた。自分について来るよう誘いかけるイザナミを問答無用で攻撃する黒羽。二人の人間離れした戦闘が始まる。一方その頃、毒ガス事件で混乱したパーティー会場を抜け出したキースは、会場から離れていく黒羽たちを目撃、ボリスと共に追跡する。街中で繰り広げられるイザナミとの追跡劇の末、やがて二人は誰もいない湖へとたどり着く。
それぞれが抱える大きな疑問の答えを探し求め、キースと黒羽は期せずして同じ図書館を訪れる。一方、立て続けに起きた不可解な事件に違和感を覚えたリリイは、混乱した自分の頭の中をすっきりさせるため、キースの家へと突然押し掛ける。一連の事件についての持論を展開しアドバイスを求めるリリィに対して、なぜかキースは事件について話すことすら拒み、これ以上事件に深入りしないよう警告する。
何か重大な手掛かりをつかんだために襲撃されたブライアン。RISによる全力の捜査にも関わらず、目ぼしい進展が無いまま時が過ぎていくことに焦る一同。犯行時の監視カメラの映像が消去されるなど、犯行に警察関係者が関わっていた可能性が浮上し、さらに状況は悪化する。その頃、キースはブライアンから残されたメッセージをもとに単独で動き始める。それを察したリリィは協力を申し出るが、はぐらかすだけのキースに苛立ちを募らせる。
ブライアン襲撃犯としてキース追跡に動き出すRIS。キースの足跡をたどるボリスたちは無数に積まれた資料の山を目にする。何かを追い求めるキースの秘められた過去を垣間見る。一方その頃、黒羽との接触に成功したキースは、なぜ黒羽がBの文字を刻み続けたかの理由を知り、二人のつながりについて語り出す。対話を続けるキースと黒羽のもとに、謎の組織からの刺客が襲撃を仕掛けてくる。
皆月率いる謎の組織からの襲撃を受けるキースと黒羽。何としてでも黒羽の身体を手に入れようとする皆月は、仲間の犠牲さえもいとわず総攻撃を仕掛けてくる。そんな皆月たちに対して為す術も無いまま全身をズタズタに切り裂かれてしまった黒羽。しかし、それでも己の求めたものに向かって手を伸ばし続ける。力尽きた黒羽が連れ去られそうになったその時、キースが取った行動は……。
依然、行方不明なままのキースを容疑者として扱う警察上層部は、今回の不祥事をエリックの責任問題として追及、RIS解散をも脅しに使いキース捜索を急がせる。RISによる家宅捜索が進むキースの部屋では、書き残された無数の計算式から、リリィが一人の女性の姿を見つけてしまう。その頃、負傷した黒羽と共に潜伏生活を送るキースは、過去に起きた殺人事件から交錯するお互いの過去について語る。
取調室で対峙するキースとエリック。かつて師弟関係だった二人が事件を巡って対決する。一連の事件の裏にマーケットメイカーと呼ばれる公的隠密組織の関与があることまでは把握していたエリック。しかし、キースはそのさらに奥にすべてを操る者がいて、その人物こそがすべての元凶であると導き出していた。すでに正体まで突き止めたキースは、再び単独で決着を付けようとするが、エリックはそんなキースに対し、仲間として一喝する。
カノープスに向かって飛べ……という言葉を信じて、その時が来るのを北壁の頂で待ち続ける黒羽。一方、キースのために自ら囮となったリリィは、敵の巧妙な偽装によって行方不明となってしまう。残り時間がわずかとなった緊迫の状況の中、キースとエリック指揮のもと、頭脳と技術を駆使することでリリィの所在地特定を急ぐ。その頃、手術台の上で目を覚ましたリリィは、その肌を鋭利なメスによって切り裂かれようとしていた。
最後の時を迎えたキースと黒羽は、長年抱き続けた思いを胸に、それぞれ決戦の地へと赴いていく。キースは隠し持っていた銃を懐に忍ばせバスへ乗り、黒羽は崖の上から舞い上がりカノープスを目指す。
「碑文が示す通り、君とあいつはここで最後を迎える……舞台は整った。愛する者の最後を、その瞳に焼き付けろ」