僕は四加一樹。普通の高校生なのに、ロボットの幻―ビジョンが見えるんだ。それを聞いて僕に近付いてきたのは真田三月先輩だった。先輩の家で、彼女の父・真田博士の作った怪しげな装置の閃光に包まれる僕。気づいた街中では、いつものようにビジョンが見えた。なのに痛い? なぜだよ? これ、幻のはずじゃないか!
父さんも母さんも、僕のことを知らなかった。やっぱりここはパラレルワールドなんだ。そこに現われたのは軍服姿の真田先輩だった。連れて行かれた地球防衛軍の基地で、僕は僕の置かれた現実を知ることになる。「お願いです。僕を元の世界に帰してください」……けど、この世界の真田博士にそんな余裕はなかったんだ……。
真田長官の許可を得て初めて自分の意志でロボットに乗った僕に、正式にパイロットにならないかという誘いが来た。戦争は嫌だけど、パイロットになることに文句はない。僕の能力を認めてくれたということなんだから。そして、初めての出動。僕のせいで、三月先輩がピンチに陥る。僕はどうすればいいんだ、ハルツィーネン!
だから嫌だって言ったんだ。長官の家に居候なんて、三月先輩が怒るに決まってるもの。居心地の悪い中、長官に呼び出された僕はあるスーツの着用を命じられた。こんなの恥ずかしいよ! みんなに笑われ、基地内を逃げ回る僕の前に現われたのは、最初の戦闘で僕が助けた、銀髪の女性、弥生・シュバエルさんだった……。
いよいよ学校に通うことになった僕。けど、三月さんの弟として振る舞わなきゃならなくて精神的疲労は大きい。そんなこんなしているうちにDまで同居したり、三月さんの日記がなくなったり、さらには弥生さんがとんでもない暴挙に出たり……。一体何だって、この家にはこんなに事件ばっかりおこるんだ!?
三月さん、弥生さん、Dに囲まれて、僕の生活は受難でいっぱい。そんな中、弥生さんにお見合いの話が持ち上がった。しかも見合い会場は羅螺の襲撃予告地点!? 戦闘とお見合いが同時に行われる前代未聞の状況で、僕は密かに戦闘ラインを会場に近づけていく。だって弥生さんは、本当はお見合いなんか……。
順応っていうのかな。僕はなんだか、この世界に慣れ始めている。家も学校も、そして羅螺との戦闘でさえ日常の一部になっているんだ。でも、今度の戦闘は日常じゃなかった。圧倒的な力を持つ敵に翻弄され、羅螺の領地に引き込まれる僕。薄れゆく意識の中で、反撃する僕。やっとの思いで敵を倒したものの、僕は……。
目を覚ますと、そこは羅螺の本拠地だった。僕を民間人と勘違いし、看護をしてくれる三月さんそっくりの女性、羅螺みつきさん。彼女があのミス・ラーだって!? 本当は優しい人なんだ……。だが、僕の正体が、羅螺総統たちにばれたらしい。兵士に追われ、逃げる僕。敵のど真ん中から、僕は生きて帰れるのか!?
HIMCという羅螺の切り札のロボットが動き出した。凄まじい戦闘力に、どうすることも出来ない僕たち。しかも、そのコクピットにいるのは羅螺みつきさんなんだ。僕の気持ちを知ってか知らずか、とうとうHIMCは防衛軍基地にまで攻め込んできた。大ピンチに陥る僕たち。その時、洞窟の奥から彼が姿を現した!
防衛軍に亡命したみつきさんは真田家に住むことになった。みつきさんをデートに誘った僕だったけど、いつまで待っても彼女は来ず、代わりに三月さんが現われる始末。しかも、騒動のあとに羅螺の襲撃なんて、まったく忙しいよ。でも何なんだ、ZINVの反応が悪くなってる……。そして、あの鈍く光る砲塔は一体!?
あれ? 戦闘は? 羅螺は? 突如変わった街の風景に戸惑う僕の耳に、三月さんからの通信が聞こえた。ここは元の世界だって? そしていよいよ、ZINVとコアロボットを向こうの世界に送り返す日が来た。さよなら、パラレルワールド。さよなら、異世界のみんな……。えっ、ZINV……僕にどうしろって言うんだ?
パラレルワールドに戻った僕を出迎えたのは、三月さんが羅螺に捕らわれたという事実だった。三月さん救出の為フランスに向かった僕たちの前に、オリジナル・ロボットの大軍を率いたHIMCが! しかもそのコクピットには三月さんが乗っている! 降伏の勧告……って、どうしちゃったんですか?!
僕のZINVと三月さんのHIMCの戦いが繰り広げられる。でも力は圧倒的に向こうの方が上。僕とZINVは、ついにHIMCの触手に貫かれてしまう。そこで僕は、戦艦の中で聞いた不思議な声を耳にした。それは、二つの世界が消滅してしまうこと、その原因が僕にあることを告げていた。僕が消えてしまえばいいのか……?
平和な日常を破って現われたのは、一匹のクムという子犬だった。海外に住んでいる鮎子さんからの贈り物だ。こいつ、僕には敵意むき出しで、隙を見せると噛んでくる。名前が悪いのかな?そんな中、僕は何者かに誘拐されてしまった。しかも、隣に寝ているのはハダカのみつきさん!? どうなってるんだよ、これっ!?