「冬木」の大聖杯が強奪され「聖杯戦争」のシステムが崩壊し数十年後―。 フリーランスの死霊ネクロ魔術師マンサーである獅子劫界離は魔術協会に呼び出され、 ある「聖杯戦争」への参加を依頼される。 それは、かつて奪われた大聖杯を巡り、 二つの陣営に分かれ七騎対七騎が争う空前絶後の「聖杯大戦」であった。 獅子劫は触媒となる“円卓の欠片”を手に、戦いの舞台であるルーマニアの地へ赴く。
バスに揺られながら、物思いにふける一人の少女―ルーラー。 フランスの少女の身体を依代に顕界する異例な召喚をされた彼女は、 此度の大戦に違和感を抱いていた。 しかし、己の役割を全うすべく、 ルーマニアの都市・トゥリファスへ出立する。 一方、赤と黒の両陣営も来るべき戦いに向け動き出す—―。
供給槽の中で一人のホムンクルスの少年が目覚めた。彼は己の運命に抗い、 外の世界へ逃げ出すが、すぐに限界を迎えて倒れこんでしまう。力なく横たわる少年の目の前に現れたのは黒のライダーであった―。 一方、トゥリファスへ向かうルーラーの前に赤のランサーが姿を現す。