都会に暮らす人気恋愛小説家・楽本愛は、新作の構想のために渋々、ある島を訪れることに。島での世話係として現れたのは、育った環境も価値観も正反対の二人は、お互いに振り回されながらも、次第に離れがたくなっていき──心に傷を抱えた二人が、愛の居場所を見つけるまでの物語。
都会に暮らす人気恋愛小説家・楽本愛(らくもとあい)は、新作の構想のために渋々、ある島にやってくる。 滞在先での世話係として現れたのは、島の人気ツアーガイド・武藤海心(むとうかいしん)だった。 自由奔放にふるまう愛に、飄々と、しかし献身的に応えていく海心。 翌日、執筆に集中できずイライラを募らせる愛を、海心が気分転換にと海へ連れ出して…。
海で採ってきた貝を、砂浜で愛に食べさせる海心。 愛は海心に連れ回されながら、島での時間を少しずつ楽しみはじめる。 お互いのことを話すうちに、自然と二人の距離も縮まっていき…。 その頃東京では、愛の秘書・小椋(こむく)ふみが、人気女優・宇井姫花(ういひめか)に呼び出されていた。
トラウマに苦しみながら執筆を続ける愛を、夜の海へ連れ出す海心。 静かな砂浜と星空で心を落ち着かせた愛は、自分の過去を打ち明けはじめる。 二人の距離がさらに縮まる中、愛は海心に甘えを見せるようになっていく。 東京では、姫花とふみによってあの作戦が動き始めていた。
セミナーの講師を務める海心と、その姿を遠くから見つめる愛。 セミナー終わり、愛は海心の部屋を初めて訪れる。 愛の帰京が翌日に迫る夜、ベッドの中で海心はあるお願いを口にする。 翌朝、東京で愛の帰りを待つふみの前に現れたのは、「ご褒美、決めたよ」と微笑む姫花で…?
愛について、東京へやってきた海心。 二人で暮らすにあたり、ふみから提示された契約書には「恋愛禁止」の文字が並んでいた。 ふみと姫花は、海心の生活用品を買いに一緒に出かけることに。 その夜、愛の家をいとこ・別府凛(べっぷりん)が訪ねてくる。
凛が訪ねてきたことを電話で姫花に話す海心。 家族との痛ましい過去を打ち明ける愛を、海心はそっと抱きしめる。 一方、着信を無視し続けるふみを待ち伏せする姫花。 同じ頃、愛の姪・楽本未那(らくもとみな)の前に、父・徳間周作(とくましゅうさく)が現れて…。
サイン会当日。再び現れた凛が、挑発を繰り返して愛を罠にはめようとしていた。 あるきっかけから姫花の演技の練習相手を務めることになったふみ。 その内容に戸惑いながらも、二人の距離は近づいていき…? ようやく愛のベッドに招かれた海心は、愛にある点数を告げられる。
お互いの恋バナに花を咲かせる愛と姫花。 その帰り道、一人になった愛の前に周作が現れる。 時を同じくして、海心と未那にも不審な影が迫っていた。 恋と未那を守るために、愛が周作から突きつけられた条件とは…。
キスしたことを謝るふみに、「ずっとそうしたかった」と打ち明ける姫花。 事態が収拾し、愛と海心の関係も一歩進むかと思われたが、海心は島へ戻る決断をする。 愛を受け取られず傷ついた海心と、失うことを恐れて愛から逃げた愛。 二人が選んだ愛の居場所とは?