人属がエドセアの果ての更に果てへと行くことを阻んできた四大魔獣王。エドセアの古い伝説によると、その魔獣王を倒すのはハイデン王から武器を賜った勇者の中の勇者だという。勇者に憧れ、13人の勇者のひとりに選ばれたアリシアは、彼らと共に月の山の主・クレバテスに挑む。
山賊に囚われたアリシアたちは、アジトへと連れて来られる。ルナを連れていたクレンは、そこでネルという女性に引き合わされる。一方、別行動となったアリシアは山賊のボスを自称するブロコに、魔鉱石を持ち歩いていたことから勇者の一人だと見破られ、「至宝」の在処を白状するように迫られるが……。
クレバテスの魔血によって不死となっていたアリシアは、吊橋から落ちても生きていた。血を流しすぎて身動きが取れないアリシアの前に、魔血で子犬のような姿を形作ったクレバテスが現れ、ネルが乳母役を断わった理由を問う。山賊は出ていく者を執拗に追いかけるからだと言われたクレバテスは、その言葉に――。
至宝「滝割り」を手にするべく、樽に潜んでエルベの縦坑の湖へと沈んでいくアリシア。ようやく底にたどり着いたかと思い樽を出ると、そこは巨大な水棲魔獣の頭の上だった。クレバテスよりも大きい水棲魔獣に吸い込まれそうになりながら、「滝割り」へと必死に手を伸ばすアリシアだったが――。
山賊「鴉」を壊滅させ、アジトを離れようとするクレンたち。「滝割り」をクレンに没収されたアリシアは、ブロコの部屋に剣があると聞き、それを取りに向かう。ブロコの部屋で剣のほかに金や革製の鎧を手に入れたアリシアだったが、そこへクレンが吹き飛ばされてきて――。