ある暑い夏の日。よしきは、いつものように隣で笑う親友の「光」が、光とは声も見た目もそっくりながらも違う〝ナニカ〟になっていることを知る。息苦しい僻村で幼い頃から共に生きてきた、唯一の心許せる存在を失いたくなかったよしきは、そんなニセモノのヒカルを受け入れ、誰にも明かさないことを約束するのだが……。
村で暮らす老婆の常軌を逸した死に方が話題に上がる中、クラスメイトの巻が「自分も呪われているかもしれない」と言い出す。普段は使わない林道を通って帰宅しようとした際、恐ろしい体験をしたというのだ。よしきは巻の懇願を受け、話を聞いていた朝子と結希、そして興味を示したヒカルとともに林を見に行くが……。
無邪気にスイカを食べるヒカルを見て「光」を思い出すよしき。もう「光」はいなくなったのに、自分だけが〝日常〟を謳歌して許されるのだろうか……? そんなよしきの葛藤も知らず、ヒカルは「お前と一緒におるだけで楽しい」と純粋な気持ちを伝えてくるのだった。耐えかねたよしきは、スーパーで出会った主婦の暮林と連絡を取る。