小川一家は夫・順平(尾崎右宗)、妻・富士子(芳本美代子)、娘・ゆり(中山心)の3人家族。彼らは借金の執拗な取り立てに困っていた。それは、順平が友人の連帯保証人になった為にかぶってしまった借金だった。借金をした当人は逃げ、小川一家は経営するカメラ店をとられた上、まだ五千万の借金が残っていた。一家は知人の助けを得て夜逃げを試みるが、彼に家財道具一式を持ち逃げされる。一文なしになってしまった富士子達は、「月花旅館」が住み込み従業員を募っている張り紙を見つけ、藁にもすがる思いで頼み込み雇い入れてもらう。しかし富士子は支配人・根本(デビット伊東)にコンパニオンをさせられそうに。怒った順平が根本の胸ぐらをつかみ抗議するが、一家は女将・あやめ(五十嵐めぐみ)に「揉め事は困る」と追い出されてしまう。
月花旅館を追い出された小川一家は他に行くところがなく、支配人にもう一度働かせてくれるよう頼むが断られる。にも関わらず富士子達は、客の車などを磨き誠意を見せる。そんな二人から、あやめは本当の事情を聞き「金融会社の人間が来たらすぐ出て行く」という約束で、彼らをもう一度雇う。富士子は仲居として働き始めるが、仲居頭の友乃(斉藤林子)に座布団をひっかけられ客の前で転ぶ。そんな中、富士子は仲居の杏子(稲田奈緒)から、ここの仲居は皆女将に抜擢されるのを夢みて競争していると聞く。ある夜杏子が、客に頼まれた翌朝持っていく弁当の注文を忘れ、客に叱られる。泣く杏子を見て、富士子は十二人分の弁当を作り、窮地を救う。杏子は感謝するが、富士子は板長の松田(武野功雄)に「勝手なことをするな」と叱られる。
富士子の娘・ゆりは、友乃の娘・理沙(堀由希奈)に自分のゲーム機を壊さたことに怒り、理沙を突く。それを見た友乃は激怒。ゆりは富士子がそのことで友乃に責められているのに心を傷め、理沙に謝ろうとするが、理沙に土下座させられる。それを見た富士子はゆりが不憫でならない。そんな中、富士子の掃除した部屋の客の指輪がなくなった。実は友乃がわざと捨てたのだが、そんなことを知らない富士子は、ゆりと一緒に必死でゴミの山を探す。指輪が見つかり、お客の老婦人は喜ぶのだった。翌朝、朝礼の場で、富士子はあやめに仲居の仕事を覚えるよう言われる。友乃はじめ他の仲居たちは面白くなさそうだ。その頃ゆりは、温泉街で金融会社の連中が自分達を探しているのを目にし、慌てて順平にそれを教える。それを聞いた富士子や順平は青ざめる。
金融会社の男達が月花旅館に来た。連中はあやめに小川一家のことを聞くが、あやめは「彼らは電車に乗って行った」とごまかす。連中は去り、富士子達はひと安心。翌朝、富士子は山西(本田真大)からこっそり賄い飯を作ってほしいと頼まれる。富士子が作ったと知らない仲居達は「おいしい」と食べる。そんな中友乃が、理沙が先にやったとも知らず、ゆりが理沙に缶をぶつけたといってゆりをぶつ。その後富士子は、客におしぼりを出すが中に吸殻が入っていて、客はカンカン。実は友乃が入れたのだ。度重なる友乃のいやがらせに、順平は怒りを抑えきれず彼女を突く。友乃や根本が騒ぎ立てたため、富士子達は再びあやめに出て行くよう言われてしまう。困った順平はあやめに「自分一人が出て行くので、富士子とゆりを置いてほしい」と頼み、ひとり出て行く。
富士子は順平が一人で出て行ったと知り、大ショック。富士子はあやめに、ゆりとここに置いてほしいと頼み、受け入れてもらう。料理人の不在時にお客に食事を頼まれあやめが困っていると、富士子が引き受ける。富士子の作ったカニ雑炊の味にあやめもまんざらでもなさそうだ。一方、新しい板前・尾崎(井田國彦)がやって来た。何やら陰のある男。金沢の別館にいたが、何か問題を起こして戻ってきたらしい。ある晩のこと、富士子は客からチップを貰ったので皆に分けようとするが、皆忙しく言いそびれてしまう。その後、友乃達に「チップを独り占めしようとしたでしょ」ととがめられ富士子が困っていると、一人酒を飲んでいた尾崎が「くだらねえことで騒ぐな」といきなり怒り出し、皆ビックリ…。
富士子は川に飛び込もうとする加奈を必死でとめる。富士子が聞くと加奈の夫は多額の借金をした上、浮気をしているという。加奈に小さい娘がいると知った富士子は彼女と自分の境遇を重ね合わせ「死ぬ気になれば何でもできる」と加奈を元気づける。そうするうち富士子の中には、友乃達からのイビリなどはね返してやるという負けん気が沸いてきた。そんなある日、旅館のオーナー・園枝が旅館にやって来た。園枝は仲居たちに、今秋伊豆に旅館をオープンさせるので、夏までにそこの女将にふさわしい人を決めると話す。目の色を変える仲居達。そしてその日、園枝が賄い飯を従業員と食べる事になった。尾崎は富士子が作ることをあやめに提案し、受け入れられる。それを妬んだ友乃と美恵は悪巧みをし…。
園枝は富士子の料理を「まずい」と一喝。尾崎は変に思い調理場に残っているものと食べ比べるが、オーナーの食べたものは異常に味が濃い。尾崎は友乃を疑う。そんな中、尾崎はある初老の客に会った後、酒を飲み荒れる。富士子の聞くところによると、尾崎は築地の一流店で板前をしていたが、そこの兄貴分のイビリに耐え切れず彼を殴り、流れ板になった。その兄貴分が自分がなるはずだった店の店長になったと聞き、落ち込んだのだ。富士子は「尾崎さんの腕は一流」と励ます。ある日、あやめは客から富士子の良い評判を聞く。あやめは富士子を皆の前でほめ、また仲居の仕事に戻す。腹を立てた友乃や美恵はまた嫌がらせをするが、富士子は毅然とした態度で彼女たちをひるませる。そして富士子は宣言。「私は女将をめざします!」と…。
ある夜、富士子が入浴していると男の客が入ってきてビックリ。友乃と美恵が富士子をコンパニオンと紹介したらしく、富士子は激怒する。ある朝、あやめは尾崎の案で富士子にオムライスを作らせる。うまくできたが、美恵は面白くない。そんな中、旅館にあやめの娘・直子(松下萌子)が来た。あやめは離婚しており直子は父親と暮らしている。あやめと直子の関係はギクシャクしたものらしい。翌日、富士子は午後が休みになり、ゆりと尾崎と楽しく過ごす。三人は夜一緒に食事をするが、その時足をくじいたゆりを、尾崎は富士子の部屋まで運ぶ。しかし酔っている尾崎はそこで寝てしまい、深夜に目覚めた彼は部屋を出て行くが、美恵はそれを見て逆上。翌朝、美恵は富士子を「あなたを許さない」と睨みつける。
美恵は、昨晩尾崎が富士子の部屋から出てきたのを目撃したことを富士子に告げ、激怒する。富士子は誤解を解こうとするが聞き入れられない。そんな中、姿を消していた順平が富士子の元に現れた。順平はホストをしているらしく、ユキエ(林美鈴)とヨーコという女性を連れてくる。順平は富士子に、今自分は独身ということになっていると言い訳をする。その後富士子は、ユキエが順平に夢中であると知り複雑な気持ちに。その夕方、富士子はあやめにこれから調理場も手伝うように言われ喜ぶ。美恵は富士子が尾崎と仕事をするのが我慢できない。その夜、順平が休憩室で自己嫌悪に陥り酒をあおっていた。富士子がそれを見て心配していると、美恵が来て順平に「尾崎さんが夜中にあなたの奥さんの部屋から出てきた」と告げる。
美恵は、富士子のいる前で順平に「富士子と尾崎が関係をもった」と吹きこむ。富士子は、順平に誤解を解こうとするが逆に疑われてしまう。そんな中、泉は宴会場で客にセクハラされ、思わずその客の腕をねじあげる。客は怒って女将を呼ぼうとするが、富士子がとりなし泉は危機を免れた。泉は富士子に感謝し、以後彼女をイビるのをやめる。翌朝富士子はあやめに料理を作るよう言われるが、気に入らない料理人たちが、彼女に道具を使わせないなどの嫌がらせをする。尾崎がそれをたしなめると、逆に富士子との仲をからかわれる。その夜美恵は、スナックで順平が一人酒を飲んでいるのに出くわし、一緒に飲む。美恵に「奥さんと、尾崎に復讐しよう」と言われた順平は、酔いにまかせてその夜、美恵と関係をもってしまう。
順平は美恵と一夜を過ごした後、客を駅まで送る富士子に出あい、狼狽する。そんな中、富士子は給料を貰いゆりを幼稚園に入れる。一方、旅館に客として、美恵の中学時代の教師がきた。中学時代いじめられていた美恵は、皆と一緒に自分をいじめた彼を憎んでいた。美恵は女将になって、彼らを見返してやるのが夢だった。そんな美恵だったが、客に口答えをして二、三日掃除係に格下げさせられることに。美恵は、トイレ掃除をしているところをその教師にからかわれ、悔しさに唇をかみしめる。富士子は美恵をなぐさめるが、逆ギレされるのだった。美恵は尾崎の同情をひこうとするが相手にされず、昼間スナックで一人ヤケ酒をあおる。酔った美恵は、その後富士子にからみ「一昨日、あんたの旦那と朝まで一緒だった」とぶちまける。
富士子は順平が美恵と関係したと知りショックで涙があふれる。このことを富士子に知られた順平も自己嫌悪に陥る。翌朝落ち込んだ富士子は仕事を休み放心していると杏子から「ゆりが理沙達にいじめられていた」と聞き、ゆりを抱きしめ、しっかりしなければと自分を奮い立たせる。翌日、気を取り直し働く富士子。そんな中オーナー・園枝が旅館を訪れ、仲居たちに秋オープンの旅館の女将を夏までに選ぶと告げる。泉は客の車を磨いて園枝の点を稼ぐ。園枝の前だと皆必死だ。そして富士子は賄い飯を園枝に褒められ、仲居たちはムカムカ。その後、順平が富士子の元に来て別れようと告げる。ショックでボンヤリした富士子はお客の前で転んで料理をひっくり返し、園枝に叱られてしまう。
富士子は尾崎に「君を放っておけないんだ」と愛を告白されビックリ。そんな中、また園枝が来た。富士子は叱られるが、泉は要領よくトイレ掃除をして点数稼ぎをする。その夜、富士子は順平が客のユキエにプロポーズされたと知り驚く。翌日、尾崎は富士子が客に抱きつかれているのを見て客を突き飛ばす。怒った客に言われた通り土下座をするのだった。オーナーの知り合いが来るというので、皆点数稼ぎに必死。泉は車を磨きまたも点数アップ。富士子は客の子供に「ババア」と言われ叱ろうとするが、園枝に注意される。その夕、尾崎はあやめに言われ園枝に料理を出すが、なかにガラスの破片が入っており叱られる。それは尾崎に「ゆりを理沙にいじめさせるな」と言われ立腹した友乃の仕業だった。富士子は怒って友乃を平手打ちする。
富士子は友乃を叩き怒らせるが、尾崎は富士子の気持ちが嬉しい。それを知った美恵は「尾崎は私の彼」と富士子を威嚇する。翌日、仲居達はあやめに「お客様へのサービスも勿論だが、売り上げアップも大切」と言われ奮起する。その夜、泉は宴会場でどじょうすくいを踊り客の喝采をあびる。翌日、美恵は自分の母が病気であると知り落ち込む。仕事で失敗する美恵を富士子はなぐさめるが、逆ギレされる。しかし尾崎に優しくなぐさめられた美恵は、嬉し泣きする。そんな中、松田と尾崎は新メニューの料理を頼まれるが、結局尾崎のものがアイデア勝ちし、採用される。それを嫉妬した松田が、尾崎が苦労して作った料理をわざと床に落とす。それを知った美恵は逆上し、そばにあった包丁を松田に向ける。
あやめが美恵から包丁を奪い事なきを得たが、美恵はこの事件で辞めさせられそうになる。しかし尾崎が美恵を必死でかばい三日の謹慎処分で済んだ。尾崎は落ち込む美恵を、優しくなぐさめる。翌日、仲居たちはあやめに「客獲得のための工夫を」と言われる。泉は客の名をいち早く覚え、あやめに褒められる。そんな中、旅館に友乃の別れた夫・小林(黒川慶一)が来る。友乃は理沙の親権のことで彼と争っているのだ。翌日、富士子は順平から再び別れ話をもちかけられる。しかしそれをゆりが聞いてしまった。悲しむゆりの姿を見た尾崎は、ゆりのためにも富士子は順平とよりを戻した方が良いのではと思い始める。そして尾崎は富士子を諦めようと美恵からのデートの誘いを受け入れる。
富士子は順平にやり直そうと言いたいのだが、順平がユキエという女に求婚されていることを知っているのでなかなか言い出せない。そんなある日、杏子の母・加代(紀ノ国悦子)が旅館にやって来た。見合い話を持って来たのだ。しかし女将への夢を諦められない杏子は困惑。杏子を助けようと、泉や富士子たちが「杏子は女将候補ナンバーワン」だと加代に思い込ませようとする。しかし結局、それは嘘だったことがばれてしまうが、泉は加代に、杏子が女将になりたいといかに強く望んでいるかを必死に訴える。おかげで加代の理解が得られ、杏子は感謝する。富士子は泉の優しさに感動するのだった。一方、美恵はが自分を励ましてくれるのが嬉しく、仕事に精を出す。
旅館に困った客が来た。北川(丹羽文雄)というその男は、コンパニオンを露天風呂に連れ込んだり、富士子や泉のサービスに悉く難癖をつけたりする。しかし富士子は誠実に対応し、最後には感謝される。あやめは、そんな富士子を褒める。そんな折、旅館に園枝が来た。園枝の要望で富士子が賄い飯を作る。それが認められ富士子は園枝にこれから仲居の他に厨房の仕事もやるよう言われた。これに腹を立てた友乃は、富士子担当の客の徳利に酢を入れ、嫌がらせをする。一方、根本は出入りの魚屋から、あやめに内緒でバックマージンをとっているのを富士子に見られる。その後、客からのアンケートに「富士子は泥棒だ」という内容のものが入っており、園枝たちは驚く。
客のアンケートに「富士子が客の財布から金を抜き取ろうとした」というものがあり富士子は窮地に。尾崎は根本を疑う。尾崎は昨夜、根本がアンケート用紙を密かに入れているのを見たのだ。富士子はあやめに根本が魚屋からわいろを取っていたのを見たと話し、ヌレギヌを晴らす。尾崎は帰ろうとする園枝の車の前に飛び出し、富士子の無実を訴える。富士子は彼の行動に胸を熱くし、美恵は大ショック。そんな中、富士子は園枝の知人・河原崎(遠藤太津朗)に料理を出すことに。厨房の連中の富士子への意地悪を、尾崎がかばう。河原崎の料理の批評は厳しかったが、富士子は尾崎の気持ちが嬉しかった。その頃、尾崎はあやめから能登の旅館に副料理長として行かないかと持ちかけられるが断ろうとする。富士子は尾崎に「君が好きだからここに居る」と言われ…。
富士子と順平が離婚し、ゆりは悲しむ。一方、富士子が離婚したと知った美恵は、尾崎をとられるかもしれないと焦る。そんな中、友乃にだまされた富士子は、不倫中の中年男と若い女の部屋に男の妻を通してしまう。大騒ぎになり友乃はほくそえむが、あやめは「ああいう客は迷惑」と言い、富士子はおとがめなしで済んだ。友乃や美恵は富士子がひいきされていると腹を立てる。富士子は大和商事の常務という大切なお得意様をあやめに任されるが、友乃が富士子のいないうちに部屋に入り込み常務のカメラを壊したり布団を斜めにしたりと部屋を乱す。常務はカンカンになってしまい、富士子があやめに叱られるはめに。一方、美恵は尾崎がゆりに優しくしているのが気に入らず、理沙や他の子供達を使ってゆりをいじめさせる。
富士子はに「俺、ゆりちゃんのパパになれないかな?」と言われ驚くが、何となく嬉しい。そんな中、近くの赤星旅館の社長・野田(宮川一朗太)が客としてやって来た。富士子が担当するが、野田に気に入られる。野田は五年前に妻を亡くしており、他の仲居たちは富士子が後添えになればいいと冷やかす。そんな折、友乃はチップを独り占めしようとしていたのを富士子にとがめられ立腹、意地悪を試みるが失敗する。一方、美恵は自分の誕生日に尾崎と一緒に過ごそうと彼を誘うが、友人と会う約束があるからと断られる。尾崎は友人と会った帰り、遊園地で遊んできた富士子とゆりに出会い一緒に食事をする。美恵はそれを知り激怒。次の日、美恵は川辺にゆりが一人でいるのを見かけ…。
美恵は川辺にいるゆりを背後から突き飛ばしけがをさせる。そんな中、旅館では客の野田が泥棒にナイフを向けられる。富士子は野田をかばい毅然とした態度で泥棒をひるませ、結局男は捕まった。野田は感激し富士子に求婚するが断られる。富士子の株は上がるばかりだが、これが面白くない根本と友乃は、富士子が客に渡すはずの鞄をすり替え怒らせる。富士子は園枝に叱られることに。富士子は尾崎に「いつか君が女将で俺が板長として一緒に働けたらなあ」と言われるが、それを聞いた美恵は逆上、皿を叩き割る。そこに園枝とあやめが来て美恵は園枝にクビを告げられる。その上、美恵はゆりを叩いているのを尾崎に見られ「どこへでも行け」とどなられる。その後、富士子と尾崎は美恵が川の方へ行ったと聞き心配になる。
美恵が川に飛び込もうとするのを富士子は必死で止める。富士子とは美恵に、園枝に謝って旅館に居させてもらうよう頼んだらと説得。美恵はその後園枝に土下座をし、何とか許しを得た。しかし美恵は尾崎が富士子に惹かれているのが耐え難いようだ。そんな中、富士子は再び野田にプロポーズされる。その後、富士子は美恵に「お願いだから尾崎を返して」と泣かれる。美恵の辛そうな様子を見て、富士子は野田に結婚を考えてもいいと答えるのだった。野田は大喜び。一方、尾崎は大ショックで、富士子に訳を聞くが、富士子は「私は打算的な女なの。もう私のことは忘れて」とハスッパな女を演じる。とは言うものの、富士子は自分の本心と違う行動をとったことに深く思い悩む。
ゆりは順平の元にいた。ゆりと一緒にいたいと言う順平を必死で説得し、富士子はゆりを取り戻す。そんな中、富士子は他の仲居たちの前で、門の前にいた客を案内しなかったことを園枝に注意される。ちょうどその時、富士子はゆりがいなくなったことに気をとられていたのだ。一方、美恵は酔った柄の悪い客を断ったことを園枝に褒められる。このことで美恵はやる気がでてきたようだ。翌日、富士子はあやめに、園枝が試食するための新メニューの料理を作るよう言われる。しかし食材が見つからず、料理が作れなくなってしまう。尾崎は友乃の仕業と確信し、彼女に殴りかかろうとするが、富士子が慌てて止める。料理は作れなかったが富士子は尾崎の気持ちが嬉しかった。そして、尾崎は再び富士子に愛を告白する。
富士子が一人で湯船につかっていると怪しい三人組の男に取り囲まれる。根本が撃退し富士子は危機を逃れたが、尾崎はこれは美恵の仕業ではと疑う。そんな中、雑誌社が月花旅館に取材に来た。杏子が大きく取り上げられ、泉は悔しがる。一方、美恵は富士子と尾崎が一緒に料理を作るのが気に入らず、川辺にいるゆりを川に突き落とそうとする。しかし富士子に見つかりひっぱたかれる。美恵は尾崎に「昔の優しいお前はどこにいった?」と言われ、涙する。そして、泉は女将への道が自分から遠のいていくのを感じ落ち込んでいた。それを知った富士子は泉に花を持たせようとする。宿賃を払わず逃げようとした男を泉に捕まえさせたのだ。あやめに褒められた泉は富士子に感謝する。そんな中、美恵は、倒れてきた材木から体を張ってゆりを守る。
順平がゆりを車で連れて行ってしまい富士子は大ショック。ふさぎこんだ富士子を見て尾崎は順平の所へ行って頼み、ゆりを連れ戻す。富士子は涙を浮かべ尾崎に感謝する。富士子と尾崎の新メニューが園枝に褒められる。その後、尾崎はあやめに能登の旅館の板長にならないかという話をもちかけられるが、断る。富士子のそばにいたいからだ。一方、順平は東京に戻ってカメラ店で働くことになった。そんな中、大山(岩川均)という客が自分のスーツから十万円が無くなったと騒ぎ、彼の部屋に入った富士子と美恵が疑われる。二人共やっていないと否定したため園枝が警察に電話しようとするが、突然富士子が「お金を盗ったのは私。責任をとってやめる」と言いだす。その後、園枝が「伊豆の女将になる人を発表する」と仲居たちを招集する。
大山の金は車の中にあった。大山の勘違いだったのだ。富士子が美恵をかばったのは誰の目にも明らかだった。そのことは園枝に深い感銘を与えた。そして、伊豆の女将に決定したのは…富士子だった。他の仲居たちはがっかりしやる気をなくしてしまう。富士子はあやめに誰か他の人を女将にして貰えないかと頼むが聞き入れられない。何日か後のこと。朝早く富士子はゆりを連れて、野田が箱根にオープンした旅館で働かせて貰おうと出てゆく。それを知った仲居たちは自分たちの態度を反省し、駅まで富士子を追いかけ、彼女に謝って連れ戻す。泉、杏子、琴絵、そして美恵までも…。富士子の目から、嬉し涙がこぼれる。ふたたび働き始めた富士子。富士子は心から、尾崎に「伊豆に来てくれるのを待っています」と微笑むのだった…。